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zoom RSS 映画評「しあわせの雨傘」

<<   作成日時 : 2012/01/29 11:28   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年フランス映画 監督フランソワ・オゾン
ネタバレあり

ミステリーにしてミュージカルで、洒落た幕切れでゴキゲンになった「8人の女たち」を除くとやや苦手意識のあるフランソワ・オゾンの作品としては、前述作に近い軽喜劇的な持ち味があるが、そこまではゴキゲンになれない。

1977年、雨傘製造会社の前社長の令嬢ながら、秘書と浮気している現社長ファブリス・ルキーニの妻として飾り壺(原題)のような有閑主婦に落ち着いているカトリーヌ・ドヌーヴが、夫がストライキで従業員に監禁された末に心臓発作で入院した為、そのピンチヒッターに起用され、昔一度だけ情事に耽ったことのある共産主義者の市長ジェラール・ドパルデューに掛け合い、堂々と団交をまとめてしまう。
 夫のいない隙に娘ジュディット・ゴドレーシュと息子ジェレミー・レニエを助手に会社経営の面白さに目覚めるものの、娘の裏切りに遭って結局会社は夫の元に還ってしまう。が、今度は女性の解放だと現市長を対抗馬に議員に出馬することにする。

低調な経済情勢に陥っていた1970年代後半を舞台に、労働問題や女性の自立といったテーマを、原作が舞台ということで洪水のような台詞で皮肉っぽく展開、配役陣の演技の応酬が楽しめ、最後にはカトリーヌの歌まで聴けるというおまけつきだが、三十余年前の社会を背景にドラマを作った狙いが些か解りにくい。
 現在のフランスは旧植民地からの移民により労働問題を含めて複雑な様相を呈して、本作ではチュニジアへの進出という逆の表現が出て来る。ある意味対照的ある意味裏表の関係にあるわけだが、オゾンのことだからそういう直截な社会風刺の狙いは殆ど無かったと思う。その辺が曖昧で、素直に楽しめないところがある。

邦題は勿論「シェルブールの雨傘」を意識したもので、演技の応酬が楽しめるとは言ったものの、実質的にはカトリーヌの貫録で持っているようなところが多い。

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しあわせの雨傘/Potiche
『8人の女たち』以来のタッグとなるフランソワ・オゾン監督と、大女優カトリーヌ・ドヌーブが送るコメディドラマだ。70年代のフランスの片田舎にある雨傘工場を舞台に、心臓病で倒れた夫に変わって妻が工場を切盛りし、女性としての自立、自分の居場所に気がついていく。共演にジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、ジェレミー・レニエらフランスの名優が揃った。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2012/01/29 11:35
映画・しあわせの雨傘
2010年 フランス ...続きを見る
読書と映画とガーデニング
2012/01/29 11:40
しあわせの雨傘
色とりどりの傘があれば、 人生の雨もまた楽しい。 原題 POTICHE 製作年度 2010年 製作国・地域 フランス 上映時間 103分 監督 フランソワ・オゾン 出演 カトリーヌ・ドヌーヴ/ジェラール・ドパルデュー/ファブリス・ルキーニ/カリン・ヴィアール/ジュディット・ゴドレ... ...続きを見る
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2012/01/29 12:02
「しあわせの雨傘」
フランソワ・オゾン監督、カトリーヌ・ドヌーヴと再び組む。 ...続きを見る
或る日の出来事
2012/01/29 13:35
『しあわせの雨傘』
□作品オフィシャルサイト 「しあわせの雨傘」□監督・脚本 フランソワ・オゾン□キャスト カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、カリン・ヴィアール、ジュディット・ゴドレーシュ、ジェレミー・レニエ■鑑賞日 1月10日(月)■... ...続きを見る
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2012/01/29 15:00
『しあわせの雨傘』
(原題:Potiche) ...続きを見る
ラムの大通り
2012/01/29 22:25
しあわせの雨傘(2010)△▲POTICHE
 色とりどりの傘があれば、人生の雨もまた楽しい。 MOVX京都にて鑑賞。 原題のpoticheは、壺という意味だそうです。ドヌーブさん演じるスザンヌが夫から言われていたのが、飾り壺=お飾りの妻でしたから、タイトルはそこからきているようですね。 カトリーヌ・ドヌー... ...続きを見る
銅版画制作の日々
2012/01/29 23:48
そう、人生は美しい〜『しあわせの雨傘』
 POTICHE  1977年、フランスの田舎町。雨傘工場の社長夫人スザンヌ(カトリーヌ・ドヌ ーヴ)は、亭主関白な夫ロベール(ファブリス・ルキーニ)の従順な妻。ある日 ロベールが倒れ、スザンヌは... ...続きを見る
真紅のthinkingdays
2012/01/30 17:58
■映画『しあわせの雨傘』
カトリーヌ・ドヌーヴがチャーミングなフランスのブルジョア・マダムを演じている映画『しあわせの雨傘』。 ...続きを見る
Viva La Vida! <ライターC...
2012/02/09 02:11

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
現代を舞台にすると深刻になりすぎると思ったのかな?
エンタティーメントとして楽しめというところでしょうか。
むかし、フランス人のおばあちゃんが、デパートで、フランス語のできる店員を相手に、まくし立てているのを見たことがありますが、まさに映画の1シーンのようで面白かったのを、観ていて思い出しました。
ねこのひげ
2012/01/30 05:57
ねこのひげさん、こんにちは。

恐らく原作が70年代から人気が続いている軽喜劇なのじゃないかなと思っているんですが、オゾンにしても特に設定を変える必要を感じなかったのでしょう。
この間観た「おっぱいバレー」も、原作では設定が現代なのにわざわざ70年代に変えた理由が謎です(笑)
オカピー
2012/01/30 17:57

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