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<<   作成日時 : 2011/11/01 10:14   >>

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☆☆☆☆★(9点/10点満点中)
1982年アメリカ映画 監督コスタ=ガブラス
ネタバレあり

「Z」「戒厳令」「告白」など政治映画を続々発表してきたコスタ=ガブラスが1982年度のカンヌ・パルム・ドールを受賞した秀作。この頃のカンヌは映画のスタイルに拘らずに受賞作品を選んでいましたな。

1973年、アメリカを去って妻ベス(シシー・スペイシク)とチリに滞在していた作家志望の青年チャールズ・ホーマン(ジョン・シェイ)がクーデターの戒厳令下で行方不明になる。アメリカから事情を聞いて駆けつけた父親エドワード(ジャック・レモン)がベスと共に調査を続けると、兵隊が連れ去ったと言う目撃者が現われる。が、新政権の軍隊も、その背後で暗躍するアメリカの関係者も、協力的なふりをしながら何の手がかりも与えようとしない。それに屈しない二人が歩き回るうちに、やがてチャールズがクーデターの裏工作を詳しく知りすぎた為に殺されたことを突き止める。

こうした内容は今までのコスタ=ガブラスの描いてきた告発的内容と殆ど差はないが、調査を進めるうちに父親が断絶していた息子夫婦の心情を理解するようになるあたり、一見メロドラマ化に走っているようで実は進境を感じさせる。

開巻からの落ち着かない空気がベスが戒厳令下の夜一人取り残される、ひどく緊張感溢れる場面へと流れ込んでいく。調査が進むに連れて真相があやふやになって事件の闇の深さを感じさせる辺りも並々ならぬ力量を示し、内容的には個人の犠牲の上に成り立つ権力の在り方を告発、鑑賞者に義憤と恐怖とを植え付けるのに成功している。この映画を見た後に大韓航空機撃墜事件があり、事件の種類が違うと言えども権力の横暴に身の毛のよだつのを覚えたものである。

ジャック・レモンの力演も印象深い。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
ミッシング
(1982/コンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督・共同脚本/ジャック・レモン、シシー・スペイセク、ジョン・シーア、メラニー・メイロン/122分)・お薦め度【★★★★★=大いに見るべし!】 ...続きを見る
テアトル十瑠
2011/11/22 21:15

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

僕は、コスタ=ガブラスの社会派ドラマが好きで、結構監督作を観てます。


その中でも『ミッシング』は大好きな作品です。
ジャック・レモン、本当に素晴らしかったです。
ドラゴン
2011/11/01 22:16
これはなかなかよい作品でした。ジャク・レモンのシリアスな演技もよかった。

ところで、きのうの『なんでも鑑定団』をごらんになられましたか?
映画ポスター画の野口久光さんのデッサンや油絵が出てきて、すごい高値でした。
原画がほとんど消失していて、この油絵が3枚目だそうで400万円。デッサンが、全部で1000万円だそうです。
昔見ていた映画ポスターは、ほとんどこの方が書かれていたんですね。
日本では、映画ポスターの評価が低いのが原因で原画が残らなかったそうです。ポスターに使った後、捨てちゃったんでしょうね。
所有されてませんか?
ねこのひげ
2011/11/02 05:00
ドラゴンさん、こんばんは。

ドラゴンさんの世代で、コスタ=ガブラスをご存じなだけでも感心してしまいます。日本で観られた彼の作品は格好だけではない凄みがありますよね。

「ミッシング」は多分唯一映画館で観たコスタ=ガブラス作品で、観た後もの凄い義憤と恐怖に震えて帰ったのを覚えています。
その翌年だったでしょうか、ソ連軍機による大韓航空機撃墜事件があったんです。
オカピー
2011/11/02 16:27
ねこのひげさん、こんにちは。

良い映画でしょう。この年に観た新作ではトップクラスの評価をしました。

>『なんでも鑑定団』
すっかり忘れていて最後だけ観たので、野口久光さんのところもほんのちょっとです。
子供の頃ポスターを盗んだらしい(笑)トリュフォーが持っていたはずだとか仰っていましたが、彼が亡くなった今どうなっているんでしょうか。
昔のパンフレットなら幾つも持っていますが、ポスターはさすがに持っていません。
残念!
オカピー
2011/11/02 16:34
「ミッシング」放映されていたんですか〜?
見落としてる!
再鑑賞したのはもう数年前。ブログ始める前だからずっと前ですねぇ。
見たかったなぁ。
やっぱり、私たち(同世代でしょ?)こんな映画観てきたから、最近の映画はスカスカで、社会派といっても雰囲気重視、刺激重視で、テーマも薄々に見えるんですよね。
社会自体が複雑で混沌としていて、テーマそのものを喪っているというか、見えないんでしょうね。
数十年間の映画鑑賞を振り返ってみて、最近の映画みてると、本当に社会を映す鏡だなって最近つくづく思います。
シュエット
2011/11/08 11:04
シュエットさん、こんばんは。

先月の終わり頃NHK−BSでやっていたんですよ。
僕は劇場公開以来久しぶりに観たです。
やっぱり良く出来ていましたなあ。
残念だったのは、音楽がいつものミキス・テオドラキスではなかったことかな。彼の独自の音楽を聴くだけでもの凄く緊張しますからねえ。

>雰囲気
ムードは大事なんですが、映画的ムードではないんですよね。
今の映画は本当につまらない。もう少しで見なくなりそうです。
オカピー
2011/11/08 21:22
自国を批判するという題材ではありますが、一方で他国の独裁政権を告発するものでもあり、ハリウッドの勇気(興行的にも、政治的にも)には驚きます。
オスカーを受賞した脚本が実に上手いと思いました。セミ・ドキュメンタリータッチで描かれた戒厳令下の街の様子が如何にも恐ろしい。
十瑠
2011/11/22 21:27
十瑠さん、こんにちは。

ハリウッドの映画製作態度は批判されることも多いですが、政治情勢などをよく勉強している脚本家も多く実際の先を行くこともありますね。「チャイナ・シンドローム」とか「マーシャル・ロー」とか。
そのことだけで作品そのものを高く評価するのは間違いですが、そうした真摯な態度は間違いなく高く評価されなければならないですね。

これ、映画館で観たけどドキドキしたなあ。その後ソ連軍機による大韓航空機撃墜事件があって、相手が民間機なのに撃ち落とすかなあとゾッとした記憶があります。
オカピー
2011/11/23 16:24

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