プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「ローマの休日」

<<   作成日時 : 2011/10/07 13:03   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 5 / コメント 8

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中)
1953年アメリカ映画 監督ウィリアム・ワイラー
ネタバレあり

ブログを始めて6年を超え、再鑑賞作品も少なからぬ取り上げて来たが、有名すぎて書きにくいということもあったのか、定評のある作品を意図的に避けるところがあった。しかし、先日も記したように精神状態改善の一環で今後増やしていくつもり。オールド・ファンの皆様、お喜びくださいませ。

さて、「ローマの休日」は僕の映画鑑賞歴の中でも大好きな作品の一つで、ある年齢以上の女性ファンに投票させたら人気NO.1になること間違いないであろう。男性を入れても案外そうなるかもしれない。と言いつつ、実はそれほど見ていず、せいぜい5回目くらいではないかと思う。

あるヨーロッパの王女アン(オードリー・へプバーン)が各国歴訪でローマを訪れ、スケジュールや規則に縛られた毎日が嫌になってある時睡眠薬を含んだ状態で町に出、ベンチに眠りこけているのを見かねたアメリカ紳士グレゴリー・ペックの家に泊めて貰うことになる。
 寝ぼけながら放つ彼女の台詞が尽く可笑しいのだが、彼の部屋を見て「エレベーターか?」という辺りは正に傑作。

彼女と会う前に賭けトランプをやっていた新聞記者のペック氏は、出社して彼女が病床に伏していることになっている噂のアン王女と知り、特ダネを取れたら5000ドルという賭けをする。
 ここでは賭けトランプからの実に上手い流れとなっている。

小さなギャグをジャブのように繰り出して面白可笑しく進行するうちに、特に“真実の口”の場面を経て彼女はアメリカ紳士に愛情を抱くようになる。彼もまたしかり、折角書いた特ダネを握りつぶし写真をお別れの儀式の際に“公式に”返し、お互いの愛情が本物であったことを確認して別れていく。

欧州では一種のジャンルとして定着しているに違いない「アルト・ハイデルベルヒ」式の物語で、構図としてはそう珍しいものではないが、溢れるギャグ群の面白さで時間を忘れ、特に幕切れになって色々な角度から効いてくる賭けの伏線・布石の巧みさに圧倒される。

何でもこなすウィリアム・ワイラーの演出は全く淀みなく鮮やか。しかし、オードリーなくしてワイラーもここまでの偉業は達成できなかったであろうし、ワイラーなくしてオードリーもここまで成功することはなかったであろう。この当時のペックは決して上手い演技者ではなかったが、本作では受けに回って良い演技を披露した。

スペイン広場の時計は確かに変だった。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(5件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ローマの休日
(1953/ウィリアム・ワイラー監督・製作/オードリー・ヘプバーン=アン王女、グレゴリー・ペック=ジョー・ブラッドレー、エディ・アルバート=アーヴィング) ...続きを見る
テアトル十瑠
2011/10/07 17:27
映画評「麗しのサブリナ」
☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1954年アメリカ映画 監督ビリー・ワイルダー ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2015/11/12 09:21
映画評「旅情」
☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1955年イギリス=アメリカ合作映画 監督デーヴィッド・リーン ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2016/02/12 08:43
映画評「あやしい彼女」
☆☆★(5点/10点満点中) 2016年日本映画 監督・水田伸生 ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2017/08/02 09:55
映画評「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」
☆☆★(5点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督ジュリアン・ジャロルド ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2017/08/04 09:14

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
ウ〜ん、確かにこの映画は精神上にも身体上にもとても宜しいでしょうな。
TBしました、私の6年前の記憶便りの記事もいいとこばっかり書いているので、こちらも宜しいかと。^^
今年になって製作裏話を書きましたが、あらためてこの映画は主人公二人がが秘密を抱えているという設定がとても上手いと思いました。ラブ・ロマンスに軽いサスペンス味が付いて、最後に上手にペーソスまでくっついて人情劇にまでなっている。
真実の口のエピソードは、トランボの本にはなかったそうです。

スペイン広場の時計の件は・・・分かりませぬ
十瑠
URL
2011/10/07 17:50
十瑠さん、こんばんは。

映画にもメリットとデメリットがありまして、僕が今病気になっているのも映画の影響かもしれないのですよTT
自分が変なことをしなければ良かったのですが、自業自得・・・後の祭り・・・

ロマンスもコメディーもサスペンスは必要ですから、その点この作品は上手く考えたものですよね。トランボ氏にこんな才覚があるとは、想像できませんでしたなあ。

僕は敢て書きませんでしたが、最後は切ないですね。でも、大人のおとぎ話は結ばれたりはしません。そこが品の良いところ。

>スペイン広場の時計の件
二人が最初に出会う時針は2:40を指しているのに、座る段になると4:55分(あるいは11:20か)になっているんですよ。短針と長針がはっきりしないので後者についてはよく解りません。いずれにしても変。
オカピー
2011/10/07 21:12
時計の件は
座っているシーンを午前中に、出会いのシーンを午後に撮影したために起きたミスで、さすがの巨匠ウィリアム・ワイラーを持ってしても時計の針を動かすことは出来なかったそうで、教会が拒否したそうです。影の長さが違うという指摘もあります。
いまだったらCGでチョイチョイでしょうけどね。
”真実の口”で、ペックの手首が消えてオードリーが驚くシーンは演技ではなく、実際に驚いていて、グレゴリー・ペックと監督がオードリーに内緒で仕組んだんだそうです。だから自然なんですね。あのシーンは本当に愛くるしいです。
初主演のオードリーの演技に不安があったという話らしいですが、まあ、名作というのはこういう裏話を探す楽しみがありますね。
ねこのひげ
2011/10/08 05:09
ねこのひげさん、こんにちは。

時計の件は、映画の間違い探し特集で記憶しておりました。影も変だったかもしれません。それで良い映画が悪くなるわけがないどころか、昔の映画はそういう楽しみがありましたねえ。

>“真実の口”
何だかそんな話を聞いたことがあるような気がします^^
名シーンだと思います。僕はあそこから愛情が俄かに芽生えたと思っています。

>オードリーの演技
出始めの王女の緊張した感じはそのままなのかもしれませんね。
ビートルズのデビュー・シングルの、ポール・マッカートニーの声は緊張で震えていると指摘されていますよ。
オカピー
2011/10/08 21:18
こんにちは。ご無沙汰しております。
私事ですが、最近、ちょっとしたきっかけで海外のインディーレーベルから依頼を受けて、レコードジャケット用のイラスト制作を細々と始めていまして、バタバタしていて全然、コメントに来れずにおりました。
でもレビューは毎日、拝見させて頂いていました!!
ご病気の件、きっと時間が解決してくれると思いますので、ゆっくりのんびりが一番だと思います。

この映画はオードリー主演モノの中でも私的TOP5に入ります!
ちなみに「昼下りの情事」「シャレード」「暗くなるまで待って」がTOP3です。

オードリー・ヘップバーンは国籍、世代、性別を問わず、誰もが女性に無意識に期待するような「可憐さ」「愛らしさ」「清潔感」を、何歳になっても備えていた稀有な方だと思います。また、この作品、再観賞したくなりました。
でも私もオカピーさんと同じで既に4、5回は観賞済ですが 笑
RAY
URL
2011/10/09 13:54
RAYさん、ご無沙汰です。

大変励みになるコメントでした。

音楽の方もちょっとやる気になれず、映画だけ続けています。
ネタはあるんですけど、今は“物をためない”生活を目標にしていますので、CDを買うのは暫く中断なんです。

>海外のインディーレーベルから
それは凄いですね! ビックリです。
僕も翻訳でばんばん稼ぐことを夢見て会社をリタイアしたのですが、結局大成せず。

>きっと時間が
そうですね。周囲もゆっくりやりましょうと言ってくれますが。
どうしても体調の方の不安も出てきて悪循環に入っていくんですよね。そういう自分に苛立ちを感じ。焦ってだんだんややこしい感じに・・・。

僕には本作がNo.1ですね。
続くのは色々あるのですが、「シャレード」「昼下りの情事」かな。
「暗くなるまで待って」は映画としては良いですが、作品の系列からちょいとトップ3からは外したい感じなんです。

庶民的な感じがあるのにやはり周囲には絶対いない、そういった魅力でしょうか。
彼女をもっと日本人的にすると、僕の初恋の彼女に似ているかもしれません。
ちょっとエキセントリックなところもあったけど、可愛かったなあ(片想い)。
オカピー
2011/10/09 15:45
オカピーさん、こちらにもコメントします。
本当にオードリーは可憐ですよね。
銀幕の大女優に比して、アイドルというものを下に観ることは一般的ですが、少なくてもオードリーに限っては、いわゆる「アイドル」という体系に高いクオリティを感じます。
わたしの母親も大ファンでしたが、
父親は彼女が「ロビンとマリアン」で復帰したとき、
「これはオードリー・ヘップバーンじゃない。」
と動揺していたことが記憶に残っています。
その後、オードリーの復帰が気になって「華麗なる相続人」を見に行ったらしく、「ふ〜ん、年齢を経た彼女もいいなあ」
などと言っていた記憶がありますよ。

では。
トム(Tom5k)
URL
2011/10/10 19:30
トムさん、こんにちは。

もの凄い演技をするという女優ではなかったですが、監督や脚本家にやる気を起こさせる女優と言いますか、「ローマの休日」から「暗くなるまで待って」まで、夫君のメル・ファーラーが作った「緑の館」以外は皆素晴らしい作品で、彼女自身だけの力ではないとは言え、いずれも二塁打以上の会心の当たりという感じでしたね。

>「ロビンとマリアン」
老けたりとは言え、なかなか魅力的でした。
作品自体も引退していたオードリーにダブるところあり、素敵でした。

>「華麗なる相続人」
積極的に観たいと思うほどではないですが、今回のWOWOW特集に入っていましたので録画しておきました。
時間があったら(十分あるのですが)観るつもりです。
オカピー
2011/10/11 17:07

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「ローマの休日」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる