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zoom RSS 映画評「日蓮と蒙古大襲来」

<<   作成日時 : 2011/10/04 09:26   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
1958年日本映画 監督・渡辺邦男
ネタバレあり

大映の宗教スペクタクルで、あちらさんで言えば「偉大な生涯の物語」のようなものに相当する。

鎌倉中期、日蓮(長谷川一夫)が日本の柱・日本の眼目となると朝日に誓って、“南無妙法蓮華経”の題目を唱えることで人民を救い、「立正安国論」を幕府に提示して内患外憂の憂き目に遭うぞと訴えるが、聞き入れられずに遠島に処される。やがて、予言どおりに内乱が起き元寇が起こったことで日蓮は大いに持ち上げられることになる。

現代にまで名を残している宗教家は多かれ少なかれ革命家と言えるが、日蓮くらい強引に世を変えようとした僧侶は珍しいようだ。「日本の名著:日蓮」を読んだ時にも日蓮くらい好悪が分れる宗教家は日本では他にいないだろう、と書かれていた。

それはともかく、前半は日蓮の強引すぎる布教活動が描かれているが、日蓮という人間を客観視しないでその強気な活動ぶりと宗旨ばかり描かれては日蓮宗以外の人は序盤から早々白けてしまうにちがいない。

映画としては遠島を二回もご丁寧に描くに至っては「勘弁して下さい」という気分になり、武士が日蓮を斬ろうとすると雷に打たれて悶絶という場面も本来はスペクタクルながら失笑が洩れる。映画の扱いが、武士を倒した雷も元寇を挫折させた神風も日蓮が引き起こしたと言っているのも同様だからで、日蓮宗のプロパガンダ映画と言っても過言ではあるまい。これを史実とするなら、運よく雷に救われた日蓮が台風という自然の力により名を成した、というのが客観的な描き方になる。

元寇の場面は当時のテクニックとしては相当なスペクタクルとして評価できるが、ドラマとしては誠にご挨拶に困る。

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日蓮と蒙古大襲来
1958年 大映 138分 監督:渡辺邦男 出演:長谷川一夫 市川雷蔵  勝新太郎 黒川弥太郎 林成年  千田是也 志村喬 左卜全 中村鴈治郎 東山千栄子 淡島千景 田崎潤 叶順子 河津清三郎  梅若正二 当時ハリウッドで史劇大作の製作がブームを呼ぶようになったのに対抗すべく、大映のワンマン社長にして日蓮宗の熱心な信者でもあった永田雅一が、和製「十戒」をめざして作り上げた、日本映画史上屈指の歴史スペクタクル大作。“歴史の事実から飛躍して自由に創作した物語”と映画の... ...続きを見る
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2011/10/04 21:16

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これは小学校の指定で観にいったというか行かされた記憶があります。
蒙古襲来で神風が吹いて蒙古の船が翻弄されるスペクタクルはすごかった記憶がありますね。
実際には蒙古ではなく高句麗の人つまり朝鮮の人たちがほとんどで、翌日以降山口や島根に死体が流れ着いて、近在の人たちが「遠くから来てかわいそうに・・・」といいながら埋めてやり墓を立ててやったそうですけどね。
後、お釈迦さんの映画を観にいかされましたね。あのころの教育の一環だったんでしょうね。
ねこのひげ
2011/10/06 04:31
ねこのひげさん、こんにちは。

小学校の時にご覧になっていますか。
スペクタクルはなかなか立派なものですが、いかんせん、日蓮宗のプロパガンダ映画では困っちまいますよ。
昨年観た「禅ZEN」はさすがに曹洞宗のプロパガンダという感じにはつくられていないので、その辺り時代の変遷を感じます。

>お釈迦さんの映画
大映の伝記映画「釈迦」なら僕もTVで観ていますよ^^
オカピー
2011/10/06 16:19

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