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zoom RSS 映画評「シチリア!シチリア!」

<<   作成日時 : 2011/10/31 14:01   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2009年イタリア映画 監督ジュゼッペ・トルナトーレ
ネタバレあり

現役の監督では数少ないご贔屓の一人ジュゼッペ・トルナトーレの新作。

物語は1930年代から始まる。シチリア島のババリアという村に住むペッピーノ(幼年時代ジョヴァンニ・ガンビーノ、少年時代ダイデ・ヴィアーニ、成人後フランチェスコ・シャンナ)はファシズム政権下に家庭を助ける為に働く貧しい少年時代を送り、戦後美しい娘マンニーナ(マルガレット・マデ)と恋に落ちて彼女の家の反対の為に駆け落ちして結婚、子供を次々と儲けながら共産主義の政治家を目指すが、結局国会議員には落選する。

その間資本家やマフィアが絡んだ闘争を挟みながらも基本的には牧歌調の叙事詩の趣きで、ノスタルジックにトルナトーレは故郷シチリアの1930年から80年頃までを俯瞰的に振り返り、故郷とは家族とは良きものよと快哉を上げ、人生への賛歌を歌う。

過去の作品と基調は似たものながらやや不満を覚えたのは、長いという人が多い中で、僕は逆に短いからではないかと思っている。各年代が描き切れぬまま次の年代に進んでしまうから描写が半端になって情緒が盛り上がって行かないのである。ベルナルド・ベルトルッチが1976年に発表した大長編「1900年」ほどでないしてももう少し丹念に各年代を彼独自の編集の上手さで描き上げたほうが個人的にはもっと楽しめる作品になったような気がする。

とは言え、さすがのカメラワークで描写には厚みがあって感心するところが多く、マッチカットを使ったシーンの繋ぎなんかも嬉しい。最後の【邯鄲の夢】のような終わり方には大した意味はないと思うので深く考えない(笑)。

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シチリア!シチリア!
『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のジュゼッペ・トルナトーレ監督最新作。1930年代から80年代にかけて、主人公の少年が成長に沿いながら家族の絆と周囲の人々との関係を生き生きと描き出す。主演はフランチェスコ・シャンナ。共演にモデルのマルガレット・マデ。シチリアに生きる市井の人々の逞しさに驚きを覚える。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
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シチリア!シチリア!
2009年 イタリア 151分 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:フランチェスコ・シャンナ マルガレット・マデ リナ・サストリ アンヘラ・モリーナ サルヴォ・フィカッラ  「ニュー・シネマ・パラダイス」や「マレーナ」と同様、トルナトーレ監督がまたしても自らの生まれ故郷であるシチリア島を舞台に、そこに生まれ育った主人公が激動の20世紀を懸命に生き抜いていく様子を、いきいきと感動的に綴った最新の人生讃歌。主人公にイタリア映画界期待の新鋭F・シャンナ、またその相手役には... ...続きを見る
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2011/11/08 20:48

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
僕はこれ、監督のワガママ映画だと思ったんですね。
周りがリスペクトして。
まあ、イタリアがどん底の経済になって、もしかしたらもうこんなワガママはさせてもらえなくなるかもしれないけど(笑)
三部作ぐらいにしてもいいような「時」の俯瞰かもしれませんね。
kimion20002000
URL
2011/11/01 00:45
kimion20002000さん、こんにちは。

>ワガママ映画
自分の故郷を舞台にし、自分と自分の父親の人生を時に交差させながら2時間半の映画は、なかなか作らせてもらえませんよね。
やはり半世紀近い時代を俯瞰するとなると5時間を超えた「1900年」くらいの長さがあったほうがきちんと描けたと思いますが、一本の映画では観客が耐えられませんね。「1900年」はよく1本の映画として公開されたものです!
オカピー
2011/11/02 15:59
これは、予告編で個人的な(自己満足的な)ノスタルジックな印象みたいで、観たらちょっとがっくりきそうかなって思ったから(笑)劇場鑑賞はしなくって、今回の放映でもまだ録画していない。映画評でもどうかすると締りがないっていうような評も読むと、ますます。
でもオカピーさんの7点で、見てみようかしらって気に。
シュエット
2011/11/07 16:20
シュエットさん、こちらにも有難うございます。

>(自己満足的な)ノスタルジックな印象
そういう点もなくはないなあ^^;
世評の言っていることも大体合っている感じがしますが、長すぎると言うのは間違いで短すぎるんですよ。
僕はトルナトーレの深みのある映像と編集の呼吸が好きなので、採点的にはちょっと甘めになっているかもしれません。
オカピー
2011/11/07 21:51

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