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zoom RSS テレビ映画評「幸福の黄色いハンカチ」(2011年日本テレビ版)

<<   作成日時 : 2011/10/20 11:40   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2011年日本映画 監督・岩本仁志
ネタバレあり

WOWOWが組んでいるジャッキー・チェンの大特集を観る元気もないので、この間再鑑賞したばかりの山田洋次監督のオリジナルとアメリカ版リメイク「イエロー・ハンカチーフ」と見比べてみようと観ることにした。長時間TVドラマを見るのは何年ぶりだろうか。

基幹となるお話はほぼ同じで、【脚本・監修 山田洋次】となっているものの、それほど積極的に関わっていないようには思いましたな。

元漁師の阿部寛が服役を終えて出所、おっちょこちょいのフリーター濱田岳と喫茶店で関わり合い、その店の娘・堀北真希とも懇意となり、皆でその辺をぐるりと見回ることになる。帰ってみると宿の前にはパトカーが止まっていて前科者の阿部が一応連行されることになるが、オリジナルで若造をやっていた武田鉄矢が知り合いの警官として現われ、そのまま帰される。
 そこで阿部は二人に前歴を話すことになって、離婚した妻・夏川結衣に未練がましい手紙を出したことを告げ、離れ小島に住む彼女に会いに行く。彼女が待っていれば黄色いハンカチが鯉のぼりの竿に掲げられていることになっているはずなのだ。

念の為にまたあらましを書いてしまったが、お話は似ていてもオリジナルの絶妙なる呼吸、カメラワーク、役者の質感の差において一々差があるので総合的には相当開きがあると言わざるを得ない。描写の密度の関係もあるが、役者のアンサンブルが整わず、例えば宿を一人で出て行った阿部を若い二人が捜し出すシークエンスでは三人の親密度がそこまで深まっているようには感じられない。従って二人が何故阿部を懸命に探すか、理解できないことはないがピンと来ないのである。それを踏まえてクライマックスに突入していくのだから、必然的に幕切れの感動も薄めとなってしまう。

先日映画版を書いた時山田洋次でも今同じ話は作れないだろうと豪語したばかりなのに早速出て来たので僕の勘も見事に外れたものだなあと思ったが、作者の意図若しくは気分は大分違うのではないだろうか。映画版を作った山田洋次は当時の日本の明るい将来をあの幕切れに予感させていたであろうし、この企画を思い付いたTV局の思惑は、オリジナルから職業などを変えた(21世紀にさすがに元炭鉱夫というわけには行かないですな)部分から判断して3月の地震などで疲弊した日本人を元気づけようということなのだろう。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
プロフェッサー、こんにちは。

見ましたか〜。
私、一応録画してありますがまだ見ておりません。

カメラワーク等の画の差、そして設定と本とまあ、いろいろあるでしょうが、
何度も記述してますが、山田洋次が「幸せの黄色いリボン」を聴いて、映画化を思いついてから実現するまでに時間を要したのは主役の男がみつからなかったからです。スタッフと何回とこの話になり、何人もの俳優を思い浮かべ、別のスタッフの“高倉健は?”との一声で、
“健さんならできる、いや、健さんしかいない”と直感して実現した作品ですから、“寅さん”と同じで別の俳優ではあり得ない作品だと私は想っています。

やはりというか、当然ですが、この記事を拝読させていただき、もう見ないかも・・・・

イエローストーン
URL
2011/10/20 16:32
イエローストーンさん、こんばんは。

最近はテレビ欄を観ることも少なくてその存在すら知らなかったのですが、直前にこのところご贔屓にして戴いているねこのひげさんから教えられて録画したものを数日後に観ました。
元来ビデオ映像が好きでないというのもありますが、物足りなかったです。

オリジナルの健さんを観てしまうと、やはり他の俳優ではダメですね。
“寅さん”と言えば、渥美清がやった警官の役で武田鉄矢が出てきますが、渥美清という俳優も凄い人だったんだなあと痛感しますよ。

折角録ったのだから、ざっとでもご覧になったら如何ですか?
失望はしてもテレビを蹴飛ばしたくなるほどひどいものではないと思いますが(笑)。
オカピー
2011/10/20 21:38
実はねこのひげも録画で見ました。
となりのチャンネルでやっていたタモリさんと中居くんのパーティー番組をみていたもので・・・・・(^^ゞ
菅野美穂さんとか吉高由里子さんとかでていて楽しかったですよ。
演出なしセリフなしで、タモリさんの作った料理を食べながら、ワイワイガヤガヤ、カメラで写されているのを忘れて騒いでました。
今後、こんな番組が増えるのではと予感させました。

『幸せの黄色いハンカチ』は高倉健さんあっての作品というのは間違いないですね。
東日本大震災があったので作りたかったのでしょうけど、阿部寛さん主演でオリジナル作品にしたほうが、健さんの残像が出なくてよかったと思いますよね。
ねこのひげ
2011/10/21 04:55
ねこのひげさん、こんにちは。

>となりのチャンネル
ヘタな演出を加えるより、そういう番組の方が面白いかもしれませんね。

>高倉健さん
寡黙の中に色々と含蓄があるんですなあ。
ふーむ、鑑賞者を元気づけるには非常に良いお話ですが、オリジナルを観てしまうとどうしても弱いですね。観ていなくても映画ファンには少々物足りない出来栄えですが。

>阿部寛さん主演でオリジナル作品
今のハリウッド映画の惨状を観ても、オリジナルで良いお話を作るのは難しいんでしょうね。
頑張れ、脚本家諸君!
オカピー
2011/10/21 17:39
プロフェッサー、こんばんは。

今更ですが、今日、今、録画していたテレビ版を鑑賞しました。

一応、今の時代に合うように変えたんでしょうが、やはりストーリー的にも、そして画的にも(山田監督が撮ったわけではないので当たり前ですが・・・)、そしてそれぞれの役者の魅力的にも、オリジナルからは数段おちますね・・・・。

最後、勇作と妻が再会するシーンも、まあ、健さんと倍賞だからといえばそれまでですが、抱き合ったりしない大人の再会がジ〜ンときたんですよね〜。

話はちょっと変わりますが、時代なのか、最近の日本の男優は奇麗な顔したアンチャンばかりで、男の顔をした役者がいないですね・・・・・。
貫禄など到底・・・・。

ヤクザものや、戦争ものをみても、配役的に迫力と貫禄がないのが本や画のできの前に気になってしまいます。

おっと、脱線しました。

とりあえず、消さずに鑑賞したので、ご報告まで。
イエローストーン
2011/12/24 21:46
イエローストーンさん、こんばんは。

TVをけっ飛ばしたくなるほどひどくはなかったと思います(笑)。

全く同じお話でも、現在の俳優ではつまらなくなりますね。
健さんは言うまでもなく、あの短い出番の渥美清の凄さ!
オカピー
2011/12/25 21:29

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