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zoom RSS 喪中映画評「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」

<<   作成日時 : 2011/06/05 06:30   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・松岡錠司
ネタバレあり

1936年、祖父・中村嘉葎雄に育てられている10歳の少年・森本慎太郎は貧しい為に学校に行けないが、絵を描くことが大好きで、ただ一人実業家・香川照之の娘・桑島真里乃から親しくして貰っている。香川は学校にも行けないような少年と娘が付き合うことに反対して会うのを禁じるうちに、少年は或る夜愛犬と共に凍死してしまう。

と書いて来れば解るように、「フランダースの犬」を換骨奪胎した日本版である。こんな有名なものを剽窃だの盗作だのと大騒ぎするのは寧ろ野暮で、素直に日本版「フランダースの犬」として鑑賞し、その改変の仕方が上手いか下手かを判断すれば良い。映画にしても音楽にしても純粋にして完全なオリジナルなどもはや作れない。後続の作品は一つの作品のヴァリエーションになるか、複数の作品を混合して練り直すしかないと言っても良いくらいである。

それではその改変が上手く行っているかと言えば余り上手いとは言えない。一番気になったのは、これが70年後くらいの現在、今は老婦人(岸恵子)になった少女が、彼の実の父親であるサーカスのピエロ・浅野忠信の書き残した文章を読む、という形式で進む点である。サーカス団が途中で帰ってしまう以上父親が自分の去った後の少年の思いまで(現実的な意味だけではなく、文学的な文脈においても)知っているのは変であり、寧ろ老女の単純な回想にして少女の視点によるお話にすべきではなかったかと思う。

あるいは、リアルであるに越したことはないにしても、少年が貧しい割に綺麗すぎるといったことは大して重要ではないであろう。この作品に出て来るような常識の範囲に収まる人間がどういう状態でどう行動するかが常識的な範囲に収まってさえいれば他のリアリティなど自分の想像力に任せれば良いのだ(それにもさすがに限界はあるが)。

その点本作のキー・パースンである少女の父親の性格設計がとりわけ曖昧で、最後に彼の家の倉庫の火事を教えてくれたのが少年であると知ってその行方を懸命に探すという幕切れにおける効果が甚だ薄らいでいる。涙もろい僕の涙腺が全く刺激されなかったくらいですから(笑)。

犬が余り活躍しないのも不満。

変なタイトルだけど、サブタイトルは「禁じられた遊び」+「小さな恋のメロディ」÷2ですかね。

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スノープリンス 禁じられた恋のメロディ
公式サイト。小山薫堂脚本、松岡錠司監督。森本慎太郎、桑島真里乃、香川照之、檀れい、浅野忠信、マイコ、中村嘉葎雄、岸恵子、山本學。映画の中で有馬早代(桑島真里乃)が演奏す ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2011/06/05 07:49

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