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zoom RSS 映画評「副王家の一族」

<<   作成日時 : 2011/06/18 09:21   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2007年イタリア=スペイン映画 監督ロベルト・ファエンツァ
ネタバレあり

19世紀半ば、シチリアがスペイン・ブルボン王朝の支配を離れてガリバルディによるイタリア統一の際に組み込まれた前後を描く貴族のお話と言えば、ルキノ・ヴィスコンティの「山猫」と同工異曲ということになるが、作り方は大分違う。因みに、副王というのは王の代わりにその地区を治める総督若しくは規模の大きい代官みたいなものである。

「山猫」が社会の変化に飲み込まれて諦観を覚えて行く老貴族の様を通して歴史のダイナミズムを巨視的に描いたのに対し、僕の観るところではこちらは社会の潮流にも気付かずに権力に拘泥する余り息子コンサルヴォ(アレッサンドロ・プレツィオージ)や娘(クリスティーナ・カポトンディ)を自由に操り時に利用する副王家の当主ジャコモ・ウゼダ(ランド・ブッツァンカ)の醜い姿を微視的に眺めた作品ということが言える。

コンサルヴォはやがて左翼から立候補して議員になってはみたものの、イタリア初の国会が開かれたのは1918年、第1次大戦が終る頃という。

かくして老いたるコンサルヴォは嘆息せざるを得ないのだが、そこに木を見て森を見ないイタリア人気質を作者は見出しているのかもしれない。その象徴がジャコモであり、あるいはコンサルヴォなのである。

狙いが多少違うから単純に比較できないが、歴史劇として見ると「山猫」には大分及ばず、美術などは本物を使って豪華でも「山猫」ほど上手く使われていない。

因みに、タンクレディという子供が出て来るが、「山猫」でアラン・ドロンが演じた役名と同じなのでちょっと気になっている。

イタリアの艶笑喜劇に良く出ていたランド・ブッツァンカは40年ぶりくらいに見たが、大分貫録が付いた。

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副王家の一族
19世紀のシチリアを舞台に、副王家の末裔である名門貴族の愛憎劇を描いた作品で、フェデリコ・デ・ロベルトの『I vicere(副王たち)』が原作。監督は「鯨の中のジョナ」のロベルト・ファエンツァ。イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の4部門受賞作品だ。当時の貴族たちの生活や思想がリアルに垣間見られる。ただし、鑑賞前にイタリア史の予習をしたほうが理解度が深まるかも。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2011/06/18 22:21

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