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zoom RSS 映画評「しあわせの隠れ場所」

<<   作成日時 : 2011/03/07 13:26   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督ジョン・リー・ハンコック
ネタバレあり

アカデミー賞作品賞の候補になり、主演のサンドラ・ブロックが主演女優賞を受賞した実話ものである。

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テネシー州、幼い時に麻薬中毒の母親と離別させられ、恵まれない生活を送り、ある黒人の好意でキリスト教系の高校に入学を認められた後再び路上生活に戻った大柄の黒人少年マイケル・オア(クィントン・アーロン)は車ですれ違ったリー・アン・テューイ(サンドラ)に声を掛けられ、家に泊めて貰う。
 チェーン飲食店オーナーを夫に持つ彼女は人が良くて小学生の息子にも好かれる彼に惹かれ、遂には後見人になる。大柄な為高校ではアメリカン・フットボールのディフェンスに抜擢されたものの、平和主義の彼が上手く防御できないのを見た彼女はその抜群の保護能力に着目して言葉巧みに能力を発揮させる。全米の大学に注目され学力不足が浮かび上がると家庭教師(キャシー・ベイツ)を付けてやる。彼の進学予定先が一家と同じだった為意図的な支援であると非難されるが、マイケルは自分が一家が好きであることを確認して家族と同じ大学に進学する。

文学や映画は大きく二つに分けられる。普遍性を扱うものと特殊性を扱うものである。
 スパイや英雄といった特殊な人物を扱うものは本来特殊性をテーマとする。最近は英雄譚に普遍性を交える潮流があるが、そんなものをリアリティーと言って有難がるのは実に馬鹿げたことである。
 翻って一般人を描いたものは普遍性のみと思われがちだが、実話に基づく物語には特殊から普遍を導くものとそのまま特殊と考えるべきものがある。

画像

思うに、本作は白人上流階級の女性が特殊な人を見出した運命の物語であり、ここから普遍的に人間に思いを馳せるのには些か無理がある。ところが、映画を批評する時にその辺りをごちゃごちゃにして、白人がどうのこうのとか、偽善がどうのこうのと、映画の目指したものを考慮せずに批判を繰り出す人が余りに多い。
 たまたまそういう殊勝な人がいて、奇跡的な出会いをして、フットボールのスーパースターを生んだという理解で本作は十分。ヒロインやその家族は一般の人のように見えるが、恐らくは彼らも特殊な人々なのであろう。もし偽善を言いたいのであれば、映画の批評なのであるから、映画の作りに問題があって彼女の行為が偽善に見える、といった言い方に直すべきだ。

最初からそういうひねくれた見方をしない限り、作りが非常に素直でことさら感動を煽るような大袈裟な処理を施した場面がないので、一家の好意に心和むこと必至。

サンドラは気の強い女性を好演。オスカーを受賞したと言っても他の作品とそれほど差があるとは思えないが、やはり内容故なんでしょうかね。

サンドラはアメ・フトに向いている。何と言っても名前がブロックだもの。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
本作はさほど心が動かず劇場鑑賞はしませんでしたけど、この一家、とくにサンドラが演じた女性も特別だったのかもしれないけど、欧米人たちの積極的な養子縁組だとかみていても、家族という概念が血縁重視の日本人とは感覚が違うんだろうなって思う。社会の一員であるという個人の意識や認識も随分と違うんだろうなって思う。P様のレビューを読ませていただくと、日本映画によくみられがちな感動のヒューマンドラマ風には描かれていないようですね。サンドラ・ブロックは色気なしのサバサバが好感持てる女優だわ。作品もサバサバした人情と元気よさがあるようですね。
シュエット
2011/03/09 11:18
シュエットさん、こんにちは。

これまでのサンドラ・ブロックのイメージ通りの作品ですよ。
日本のTV局絡みの大袈裟な煽り方とはかなり差があります。昨今の観客は説明しないと理解できないし、感情をあおらないと感情の琴線に触れない、なんて気がするくらい何でもかんでも映画側が用意しますね。
オカピー
2011/03/10 09:09
オカピーさん これも 以前 DVDでみたのですが
>偽善がどうのこうのと、映画の目指したものを考慮せずに批判を繰り出す人が余りに多い。
 ホント 申し訳ありません ボク 初めは 「ホームレス同然の黒人の子を拾って養子か?なんだ、白人の”上から目線”映画かよ」とバカにしてたんですよ 。

けど、見てみたら サンドラ演じたリーアン まったく上から目線じゃなかった。

 それどころか 奥様連中相手でも
「あの子も 家族割引つかうの?食いつぶされるわよ」
「養子なんて お父様怒らない?」

 それに対して リーアンは
『父は 亡くなったわ。忘れた? あなた 派手に着飾って来てたわよね』
『私に賛成してとは言わない、でも 彼がどんな苦労してきたか知らないでしょ』
 なかなか 歯に衣きせない ズバズバ系な女性でした(゜◦゜)

>平和主義の彼が上手く防御できないのを見た彼女はその抜群の保護能力に着目して言葉巧みに能力を発揮させる
 彼のフットボールの試合での闘争心の出し方も
「私を守るように彼(チームの仲間)を守るのよ」
「パパも、SJも、コリンズも みんな このチームメイトよ。私たち家族を守るように仲間を守りなさい」
ただ怒鳴って激飛ばすんじゃあ 彼の場合 右から左、左から右に 耳をとおり抜けるだけで伝わらない、そこで ”「守るべき者のため」意識”を持たせたアドバイスでアドバイスで見違えるようにプレーが冴えたマイケル。

彼の後見人になりたいと思ったときも、きちんとスラムにいる実の母親に挨拶に行く。大きなハートを持っている。まさにアメリカ版肝っ玉かあちゃんといったところ。


zebra
2015/10/18 18:37
つづき書きますね。

>作りが非常に素直で、一家の好意に心和むこと必至。
 すなおに 肩の力抜いて見てみるか、って気持ちのほうが 物語に入っていける作品でした。
>彼の進学予定先が一家と同じだった為意図的な支援であると非難されるが、
 進学先の聴取の人だけど 言い方が 人の揚げ足取りっていうか粗さがしみたいな言い方だったんでムカついたし。
「テューイ家が 援助してるから進学希望するんですか、」って
リーアンの操り人形的に偏ってしまわないように言っただけかもしれないけども・・

それにたいしてマイケルの大人な受け答えも見事でした
「理由は・・家族が行った学校だからです。 だからボクも行きたいんです。」
テューイ家の家族全員の人柄をみてないと決して言えないセリフですね。
頭ごなしな態度や ”オレさま目線” ”意図的なシンパ意識もたせ”そんな一家なら いくら金持ちで「援助してやる」と言っても彼なら嫌気がさして自分から出ていってましたし。
>サンドラは気の強い女性を好演。オスカーを受賞したと言っても他の作品とそれほど差があるとは思えないが、やはり内容故なんでしょうかね。
 演じる俳優の演技姿勢が 凝ったものなのか? それか、そんなに力を入れないで素で演じたものなのか? サンドラの場合は後者だったんでしょう。そして その演技姿勢が作品に合ってたんだ、っとボクは解釈してます。 

マイケルがホームレスからプロフットボール選手へと上り詰めてアメリカンドリーム実現しましたが 彼を救い上げたリーアンもまた、夫婦ですでに事業が成功しててアメリカンドリームをなしえてたのですが・・・

マイケルとの出会いで社会の視野が広がり サンドラが自分を演じたこの作品で主演女優賞受賞とは・・ リーアンにとって二度目のアメリカンドリームをなしえれたと言えますよ。

zebra
2015/10/18 19:26
zebraさん、こんにちは。

見ないで批判するのが一番いけないですが、作品の狙いを全く掴まずに自分の好き嫌いだけで批判を繰り出すのも良くないですねえ。
さすがにブログでは少ないものの、映画サイトへのコメントではこうした人が結構多くてがっかりさせられます。

>リーアンにとって二度目のアメリカンドリーム
いや、これは素敵な表現ですね。
オカピー
2015/10/18 21:20

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