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zoom RSS 映画評「牛泥棒」

<<   作成日時 : 2011/03/18 14:09   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1943年アメリカ映画 監督ウィリアム・A・ウェルマン
ネタバレあり

昨日に引き続き日本劇場未公開の西部劇だが、監督がウィリアム・A・ウェルマン、主演がヘンリー・フォンダなので、以前から注目していた作品。

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フォンダは恋人メアリー・べス・ヒューズに会いにネヴァダ州の小さな町に相棒ヘンリー・モーガンと一緒にやって来るが、酒場には絵が飾られているばかりで本人がいない。町の女衆に追い払われたのだと言う。それに加えて、よそ者である彼に対する町民の態度が不遜だった為に甚だ気分を害す。

ここまでが起承転結の起であるが、町の保守性を的確に表現し、作品全体の基調がここで早々に決定される。好調な出だしと言うべし。

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そんな折牧場主が射殺されるという事件が発生、町民の多くは犯人を捕まえてリンチにしようと息巻く。唯一商人ハリー・ダヴェンポートが冷静に保安官の帰りを待ってきちんと裁判にかけようと提案するも半ば無視され、軍人時代の失敗を取り返そうと躍起になっている元南軍将校ウィリアム・イースを実質上の指導者として捜索隊が組まれ、妙な因縁を付けられたくなくないフォンダたちも参加する羽目になる。寒さに震える山中で一つの馬車と遭遇するが、それには結婚したばかりのメアリーとその夫が乗っていて、フォンダもこれには白けるばかり。

ここまでが言わば承で、メアリーの登場は転調として上手く機能している。

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遂に一行は火を焚いて眠っている三人組と遭遇。メキシコ人のアンソニー・クインはともかく、リーダー格のダナ・アンドリューズは好青年ではあるものの、不幸な偶然が重なって、一行の目には犯人としか見えず、結局リンチ執行が決まる。執行の前に妻に宛てて青年は手紙を書く。軍人の息子は父親の正義に疑問を覚えて綱を切れない。積極的にリンチを執行したがる者は殆どいないが結局事は終わる。

その直後保安官が戻り、犯人を逮捕したと言う。これにショックを受けた南軍将校は帰宅後自殺して果て、その他のメンバーも罪悪感を背負って生きることになる。

というお話で、リンチは非人道的であり、為してはならないものという主張がテーマとなっている。フォンダ絡みで言えば「十二人の怒れる男」に成れるチャンスがあったのに成れなかった捜索隊の物語である。

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ウェルマンの展開ぶりは楷書的に明快に展開させ快調、序盤と終盤の絵柄を呼応させたのも気が利いている。

が、全く気に入らない点が一つある。最後に読まれるアンドリューズの手紙の文章がまるで憲法か判決の文言のようであり、脚本家が言いたいことがそのまま綴られているような気がすることである。とても一庶民が妻に宛てた文章には思えず、まるで含みがない。青年の良心を映画的に示すのであれば、彼の手紙はもっと平易に妻への愛情を示し、もっと素朴に家族への心配を表現するものでなければならないのではあるまいか。“九仭(きゅうじん)の功を一簣(いっき)にかく”とは、正にこのことだろう。

日本で外貨が売られることを想定しての投機筋による円高。まさに火事場泥棒じゃね。

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