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zoom RSS 映画評「G.I.ジョー」

<<   作成日時 : 2010/09/06 15:55   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督スティーヴン・ソマーズ
ネタバレあり

同じスティーヴンでもスピルバーグはCGを駆使できるが、ソマーズはCGに使われてしまう若しくはそういう作品に起用される監督の代表格である。「ハムナプトラ」も既にダメだったが、「ヴァン・ヘルシング」でいよいよ見切りをつけた。本作は正にそのレッテルを益々しっかり張り付けた形。

国際機密部隊“G.I.ジョー”のメンバーが、「地球が静止する日」のバグよろしく金属を侵食する力のある“ナノマイト”なる物質を搭載した弾頭をNATOから奪って地球を征服しようと企むテロ組織コブラと大がかりな戦いを繰り広げるSFアクション。

説教臭いメッセージがないことは大いに歓迎したい。その結果生まれるアクションの大放出もこの手のジャンル映画の作り方としては決して間違っていない。「007」シリーズ初期に似た荒唐無稽さが愉快と言っても良いくらいである。

しかるに、そこに同時に問題も含まれている。一つはCGは僕らが子供の頃観た「鉄腕アトム」や「鉄人28号」と同じで、いかに実写ぽく見えようが結局は絵であるということ。常識のある大人なら知らず「絵である」という心理が働いて(楽しめても)素直にヒヤヒヤできない場面が多くなる。翻ってSFX時代は俳優やスタントマンが実際に危険を冒してアクションに臨むことが多く、それを知っている僕らは自ずと手に汗を握らされていたわけである。同じ“嘘”でもVFXとSFXではかくも差があるのだ。

CGだけでなくVFXでは比較的簡単に華やかな見せ場が作れる為に本作のようにのべつまくなく見せ場という作品が増加傾向にあるが、そこに第二のそして一番の問題点が包含されている。本作の場合では余りに人を殺し物を壊し過ぎる為に一つの死や破壊の意味が展開が進むに従って希薄になり、最終的に死や破壊が生活感情を伴わなくなってしまう。道徳ではなく、心理学の問題である。冷酷無比な殺人もそこでは非情ではない。非情が非情にならない映画が真に面白い筈がない。そこがかつての「007」とは違うわけである。気分は似ていても結果は全く違う。

その為に、能力を増幅するスーツや透明化するスーツ、金属を侵食する物質等々楽しめそうなアイデアには事欠かないのだが、景気の良さがプラスに働かない。で、終盤は何故か「スター・ウォーズ」となる。

日本を舞台にしながら話す言葉が韓国語とはこれまたお粗末。イ・ビョンホンを起用しながらどうして舞台を韓国にしなかったのか全く理解できない。忍者に拘りたいなら日本の俳優を使えば良いだろうに。

そのイは第二のジェット・リー(韓国風に読めばこちらもイさんだ)としてこれからハリウッドで売り出されるだろう。つまり、最初は悪党役で、それである程度人気が出れば善玉の主役が回って来ると僕は予想する。

どうも景気が良すぎてハイパー・インフレになってしまったようです。

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