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zoom RSS 映画評「実験室KR−13」

<<   作成日時 : 2010/08/31 14:04   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督ジョナサン・リーベスマン
ネタバレあり

「es [エス]」という心理実験を扱ったドイツ製サスペンスがあったが、こちらはアメリカ製。厳密に言うとこちらは実験ではなく、心理実験に見せかけた試験を扱っている。

新聞募集を見て集まった四人の男女ティモシー・ハットン、ニック・キャノン、シェー・ウィガム、クレア・デュヴォールが密室に閉じ込められる。説明役の博士が和気藹々に被験者に話しかけた後突然一人を射殺、残った三人も質問への回答が正解から遠いと殺され、その結果合衆国に従順である人間を選び出す実験(試験)であることが判って来る。
 【判って来る】と書いたのは、女性心理学者クロエ・セヴィニーがその実験を見るという視点を加えた二重構造のお話になっているからで、そのおかげで風刺的な側面が加わって多少興味深く見られた。

ベースとなっているのは冷戦時代に実際に行われたという“MKウルトラ”なる心理実験だが、その実験では本作のような殺人などは一切なかった模様。

「CUBE」に始まり「ソウ」に引き継がれた密室知能サスペンスのヴァリエーションである。しかし、このタイプにそろそろ飽きてきたし、折角イスラムのお祈りに対して無条件的に恨みを持つように洗脳するかのようなアイデアを繰り出しているのだから、殺人などのハッタリを入れずに実験の不条理性をじっくり描き上げる社会派映画として作った方が余程不気味な怖さが醸成されゲーム的にはともかく映画的にぐっと面白くなっただろう。

そもそもこんな勿体ぶった実験でアメリカに忠節を誓う人間など選抜せずとも、狂気の戦場に放り込まれたら数人に一人はそうなるのではあるまいか。その意味ではスタンリー・キューブリックの「フルメタル・ジャケット」のほうが戦慄させてくれますぞ。

因みに「1〜33の数字で一番アメリカ人が思い浮かべる数字は?」に対して最も賢い回答は17。どちらからも数えても丁度真ん中だから蓋然的に正解に近い可能性が一番高いのだ。

柳の下にドジョウは何匹いるのやら。

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09-325「実験室KR−13」(アメリカ)
ここは殺戮部屋  ケリー、トニー、クロフォード、ポールの4人は、詳しい内容を知らぬまま、ある心理実験の被験者となってしまう。小さな部屋の中で博士から簡単な説明を受ける4人。  やがて説明を終えた博士は、おもむろに拳銃を取り出すと、その中の1人を射殺し、部屋をあとにする。逃げ場のない実験室の中でパニックに陥る3人に、新たな問題が示される。  そして、正解からもっとも遠い1人が次の犠牲者となることが明らかとなるが。(「allcinema」より) ...続きを見る
CINECHANの映画感想
2010/09/12 01:28
実験室 KR-13
極限状態では、3人いると「助かりたい」と思い、2人になると「おまえが逃げろ」と譲り合うのか? 人間の心理というのは難しい。黒人が生き残るのは「習慣的卑屈」のせいか? この映画をアメリカの黒人はどう見たのだろう ...続きを見る
映鍵(ei_ken)
2010/12/15 23:08
映画『実験室−KR13』を観て
9-62.実験室−KR13■原題:TheKillingRoom■製作年・国:2008年、アメリカ■上映時間:94分■鑑賞日:11月28日、シアターN渋谷(渋谷)■公式HP:ここをクリックしてください□... ...続きを見る
KINTYRE’SDIARY
2011/01/09 14:19

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