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zoom RSS 映画評「女王陛下の007」

<<   作成日時 : 2010/04/10 16:52   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1969年イギリス映画 監督ピーター・ハント
ネタバレあり

ショーン・コネリーが「007はもう御免」と退いた為にオーストラリアでモデルをしていたジョージ・レーゼンビーを大抜擢したシリーズ第6作。

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スペクターの親玉ブロフェルド(テリー・サヴァラス)の捜査に行き詰った為に干されたジェームズ・ボンドが休暇中に気に留めた美女ダイアナ・リッグの父親がスペクターをライバルとしている大物ガブリエレ・フェルゼッティで、娘を再生させる交換条件でブロフェルドの動向を教えて貰う。彼が依頼している弁護士の事務所に侵入して英国の伯爵の継承権を主張していることを掴み、紋章官に化けてスイスのある山頂にあるアレルギー研究所実は細菌兵器及びテロリスト製造所に堂々と潜り込むが、被験者に色目を使ったことから正体がばれた為にスキーや車で必死に逃げ、同時に細菌兵器をばらまく計画を阻止すべく“義父”の軍隊を呼び出す。

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事件後ボンドはダイアナと結婚するので“義父”と書いたのだが、スパイ映画である007シリーズの性格上独身を貫かねばならないので、第21作「カジノ・ロワイヤル」同様幕切れは推して知るべし。公開当時の評判はさんざんだった。最近は結構評価されている模様だが、どちらかと言えばカルト的な人気と言うべきで、冷静に判断すればシリーズ初期作品の中では余り上出来の部類ではない。

まずは前作「007は二度死ぬ」と違って研究所に乗り込むまで非常にスローかつ見せ場に乏しいこと。もう一つはレーゼンビーの魅力不足で、事実最初のうちは時々傍役かと勘違いしそうになったが、角度によってはクライヴ・オーウェンに似ていると思うとまずまず見られるようになるから現金なものだ。しかし、ショーン・ボンドのような慎重さや観察力が全く感じられないのは相変わらず不満。

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その代りアクションの機敏さは歴代ボンドでも最高クラスで、冬季オリンピックもびっくりの、スキーにボブスレーに大いに生かされている。英米映画で本格的に観られた最初のスキー・アクションだったはずである。但し、ドイツ映画ではアーノルド・ファンクの山岳ものなどで戦前から観られたということは言っておく必要はあると思う。屋根をジャンプ台にするアクションはトニー・ザイラーの主演作品でも観られた。
 そこに加えて雪道でのカー・アクションも楽しめる。進行中の雪上ストックカー・レースに紛れてしまうのも愉快。

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監督は編集者上がりのピーター・ハントがこれまた大抜擢。本作では編集は担当していないが、当時の映画としてはかなり細切れのカット割りはご本人が担当した旧作007とさほど変らない。同じ細切れでもロングショットが入るので昨今の映画とは段違いにアクションの全体像がよく捉えられる。
 しかし、進行するにつれて面白さを増していくものの、展開は全体的に鈍重。今回のWOWOW放映版は当初の日本公開版(130分)より12分長く、序盤が余計ルーズになっているらしい。

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それからタイトルバックに旧作ボンドの場面が流れ、本編の途中で「ドクター・ノオ」の主題歌がかかることから、作者は本作をそれまでのショーン・ボンドに捧げるレクイエムのつもりで作ったのではあるまいか。序盤でボンドが干されるので益々そんな推測をしたくなる。原点回帰の意図も感じられる。

レーゼンビー007の最高傑作。^^ゞ

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「女王陛下の007」
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或る日の出来事
2010/07/03 09:41
女王陛下の00T
「トラビス君、冥土の土産に教えてやろう。この装置は地球温暖化マシーンだ。仕組みを説明すると長くなるからこちらの資料を後で読みたまえ。ま、つまりこの装置が作動すれば地球は終わりなのだよ」「地球が温暖化すると問題でも?」ブロフェルドが鼻で笑った。「そんなことも知らんのか、君は。地球が温暖化するとだな、エチゼンクラゲがいっぱい増えて山陰の漁師さんが困ったり、食べきらないうちにソフトクリームが溶けて手がベタベタになったり、そりゃもう大変なのだ」「畜生、何てヤツだ」「フフフ、君の始末は作戦完了の後だ。逃げ... ...続きを見る
虎犇秘宝館
2010/08/30 21:56

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ご指摘のタイトルバック あの音楽とあの画像はすばらしかった
ですよね レクイエムでしょうね 「私を愛したスパイ」でも
今までの名シーンの登場 多々ありましたね
すべて異例ずくめの作品ですよね
カズ
2010/04/21 22:19
カズさん、こんばんは。

>レクイエム
ご同意戴き、有難うございます。^^

>異例ずくめ
そうですね。
憂愁に沈むJ・ボンドなんて「カジノ・ロワイヤル」まで観たことがなかったですもんね。
オカピー
2010/04/22 01:16
こんにちは。
レイゼンビー、ボンドとしては、まったりしているというか。逆に、このロマンスの一編には合っていたかもしれません。
ラストは悲しすぎますね。
ボー
URL
2010/07/03 10:03
ボーさん、こんばんは。

>ラスト
「カジノ・ロワイヤル」が受ける時代ですから、全く評判の悪かったこの作品が一部で見直されているんでしょうね。
とは言え、ボーさんがご指摘されているように、途中での軽さと首尾一貫しませんけど。
オカピー
2010/07/03 20:24

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