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zoom RSS 映画評「地獄へ秒読み」

<<   作成日時 : 2009/12/20 14:46   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1959年イギリス=アメリカ映画 監督ロバート・オルドリッチ
ネタバレあり

今回のロバート・オルドリッチ特集の日本未公開作品のうち観られそうなのは本作だけ。

終戦直後のベルリンで、戦時中から爆弾処理を任されていた6人が食いつなぐ為に、連合軍の少佐リチャード・ワッティスの依頼を受けて、不発弾の処理という命がけの作業に従事する。

というだけでは面白くないので、死と隣り合わせの仕事だから一人一人の分担制にして誰が最後まで生き残るか賭けるお話にした上で、紳士的な建築士ジャック・パランスと、人を殺してでも賭け金を独占しようと企むジェフ・チャンドラーという対照的な性格の二人を配置し、葛藤ドラマ風に見せたところが一応の妙である。

この二人にドイツ人と結婚して未亡人になったフランス女性マルティーヌ・キャロルが絡んでくるのはその対立を鮮やかに映し出す為で、本当のフランス人グラマー、マルティーヌ嬢は「キッスで殺せ」の貧相な女優陣に比べてさすがの貫禄が示しているものの実力は出し切れていない。男性映画の作家と言われるようにオルドリッチには女性を上手く撮ることに余り関心がなさそうだ。

葛藤ドラマ風とは言いながら、眼目となるのは勿論不発弾の処理におけるサスペンスで、一触即発の信管を取り除く場面ではパランスの脅えた様子と併せて緊張感がいっぱい。特に英国製は要領の解らない二重信管の為に難渋を強いられ、最後に残ったパランスとチャンドラーの一騎打ち的な場面に生かされている。
 結局ただ一人生き残り五人が死んでしまうのだが、爆死だけでなく、ビルの崩壊や酸欠死といった変化を入れているのも有り難い。

上映時間が短くタイトに作られて退屈はさせないが、オルドリッチ・ファン以外に積極的にお勧めするほどの材料はないと思う。

オルド監督リッチになれず(意味不明)。

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「地獄へ秒読み」
「北国の帝王」を観て以来、アルドリッチ作品に流れる骨太魂に嵌っているので、wowowで、こんな劇場未公開作品に出会えるのは嬉しい。 TEN SECONDS TO HELL 1959年/アメリカ・イギリス/93分/劇場未公開 監督: ロバート・アルドリッチ 脚本: ロバート・アルドリッチ/テディ・シャーマン 撮影: アーネスト・ラズロ 音楽: ケネス・V・ジョーンズ 出演: ジェフ・チャンドラー/ジャック・パランス/マルティーヌ・キャロル/ロバート・コーンスウェイト/デイヴ・... ...続きを見る
寄り道カフェ
2009/12/28 09:32

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
あ、ここでもって人生論&男の生きる道など
語らねば!
あ、そうだ、オイラは美しい人妻に恋していたんだ!
あ、クドかねば!
そうだよ、オイラは賭けしてたんだよ〜
そんな感じですっかり取ってつけたようなホン
ではなかったでしょうか。
私、何度も俳優さんってエライなぁ〜と
苦笑しながらそれでもなんとか最後まで。(^ ^)

信管のハラハラドキドキ描写は
さすがでしたがね〜。^^

>男性映画の作家

はは〜、なるほど〜。納得です。(^ ^);
vivajiji
URL
2009/12/20 15:11
vivajijiさん、コメント有難うございまする。

>取ってつけたような
これがないと1時間強程度のシャシンになっちゃいますもんね。
製作者にでも頼まれ無理無理に押し込んだんでしょ。(笑)

>俳優さん
実はパランスとチャンドラーの配役について当初色々書いてみたのですが、面倒くさくなってやめてしました。

信管をめぐるサスペンスはオルドリッチの面目躍如、といったところ。

>なるほど
有難うございまする〜。<(_ _)>
オカピー
2009/12/21 00:30
ここんとこ、夏場のリフォームの疲れが今頃来たのか、少々免疫力低下状態で風邪気味状態でおりまして、お邪魔する元気もなくご無沙汰です。週末に娘夫婦もまじえて熱海にいってきて、温泉はいって美味しい料理食べて、早々と寝て…元気盛り返しました。P様の方は体調はいかがですか?
さて、本作私も記事にしました。撤去作業はやはりみせてくれたわ。
日本でも不発弾のニュースは聞くけれど、やはりヨーロッパ戦の大きな後始末でもあったのでしょうね。ヨーロッパではこれを抜きには語れないものがあるんだろうなって思いながら観てました。やっと生きて故国に戻り、その後、生きる糧の為に命がけの作業に従事するって、これは戦地以上の苛酷なこと。6人の男たちの生き方それぞれを掘り下げればまた違った人間ドラマとなったでしょうけど、でもこれだけでも、戦後ヨーロッパの、とりわけ徹底的に連合軍というよりイギリス軍によって壊滅状になった都市の復興の中でも、どうかしたら忘れ去られがちな物語でしょうね。この作品をテレビ放映で観る前に20年ぶりに「バグダッド・カフェ」を劇場でみて、最後まで生残ったジャック・バランスさんが老いたいい味出してたわ。
シュエット
2009/12/28 09:32
シュエットさん、こんばんは。

>体調
日常生活には支障はないですよ。
担当の医者が「悪玉コレステロールが多いから」とまた血液検査しましたが、運動不足だから上がるのは解っているんだけど。

>撤去作業
映画としてはこれが眼目だったはずで、vivajiji姐さんも仰っていますが、フレンチ・グラマーのマルティーヌ・キャロルとのエピソードは謂わば付け足しみたいなものかと。いずれにしても主役二人の対照を際立たせる仕掛けでした。

>6人の男たち
その場合はちょっと方向がずれちゃうなあ。
有名な俳優を揃えないとパランスならぬバランスが崩れてしまうし。(笑)
不発弾撤去とは良い着目点ながら地味なので、案の定日本では未公開に終わってしまいましたね。

>「バクダッド・カフェ」
ああ、出ていましたねえ。
「シェーン」のパランスがこんな映画に出るとはねえ、などと思ったものですよ。
色遣いの面白い作品で、主題歌も爆発的に売れましたね。
オカピー
2009/12/28 17:26

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