プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

help RSS 映画評「ウォンテッド」

<<   作成日時 : 2009/09/28 11:29   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 18 / コメント 6

☆☆★(5点/10点満点中)
2008年アメリカ映画 監督チムール・ベクマンベトフ
ネタバレあり

古くから続く秘密の組織に属したり追われたりする羽目になる若者を描くのが流行なようで、今年だけでも「光の六つのしるし」や「ジャンパー」を観た。本作の監督チムール・ベクマンベトフがロシアで作った「ナイトウォッチ」シリーズも同じグループに入れて良いだろう。それも起源が馬鹿の一つ憶えのように1000年前というパターンが多い。

画像

うだつの上がらないサラリーマンである主人公ジェームズ・マカヴォイ君が殺し屋らしき男トーマス・クレッチマンに狙われたところをアンジェリーナ・ジョリーを助けられ、モーガン・フリーマンをリーダーとする秘密結社に案内される。組織は世間を均衡に保つ為に1000年前から存在する暗殺集団で、自分が動き回る蠅を次々と仕留める物凄い射撃の腕前を持っていることに気付かされ、上司から虐待される日常が嫌になってこの組織に参加、厳しい訓練を経て一人前になる。そして、メンバーであった父親を殺したというクレッチマンを仕留めにかかる日が訪れる。

画像

という辺りまでは、スーパーカーとトラックの追っかけに撃ち合いを絡めた激しい劇画的なアクションや列車の中でのガンアクション、サディズム趣味かと紛う訓練場面などで、楽しませてくれる。念力で弾道まで変えてしまうのだからニヤニヤしながら観るには最適。

しかし、この後から疑問百出の展開となって失望させられる。

画像

例えば、主人公は組織の現状メンバーの誰もがやっつけられない強敵クレッチマンを仕留める為に雇われ、実はその彼もそれに乗じて仕留められる手筈になっていると判明するのだが、その程度の策略で二人とも仕留めることができるくらいなら、わざわざ手間暇をかけて主人公を育成する必要もなさそうだし、(いつターゲットになったかによるものの)わざわざやっつける主人公を最強に仕上げるのは矛盾となる。お話が漫画的・劇画的なのは一向に構わないが、基本となる設定がこう出鱈目では折角の映像も魅力半減。

“言わぬが花”の幕切れも行動心理学的に考えられない作劇で、甚だ興醒める。SF、ファンタジー、ホラーといった非現実的テーマを扱うジャンルにおいても、他のことはいざ知らず人間の行動だけは実際に即する必要があるのは言うまでもない。

怪我をしても風呂に入れば回復・・・ではその後からサスペンスは感じられなくなりますぞ。

テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(18件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ウォンテッド
ネズミに合掌。   ...続きを見る
Akira's VOICE
2009/09/28 11:43
『ウォンテッド』
(原題:WANTED) ...続きを見る
ラムの大通り
2009/09/28 12:16
ウォンテッド
“1を倒して、1000を救う” 原題 WANTED 製作年度 2008年 原作 マーク・ミラー/J・G・ジョーンズ 監督 ティムール・ベクマンベトフ 音楽 ダニー・エルフマン 出演 ジェームズ・マカヴォイ/アンジェリーナ・ジョリー/モーガン・フリーマン/テレンス・スタンプ/トーマス・クレッチマン/コモン/デヴィッド・オハラ ...続きを見る
to Heart
2009/09/28 13:44
「ウォンテッド」
マカヴォイくんも素敵でしたし、アンジェリーナ・ジョリーの恐ろしいくらいのかっこよさも際立ってましたわ〜 ...続きを見る
心の栄養♪映画と英語のジョーク
2009/09/28 16:49
ウォンテッド/ジェームズ・マカヴォイ
しつこいくらいの予告編大量投入作戦にまんまと乗せられてスゴク観たかったわけでもないのに先行上映に行っちゃいました。逆にそういうのは混んでいてもあまりに気にならないというのもありますしね。それにやっぱりタムナスさん(byナルニア)は何故か観ておきたくなるんです.... ...続きを見る
カノンな日々
2009/09/28 18:34
『ウォンテッド』('08初鑑賞117・劇場)
☆☆☆★− (5段階評価で 3.5) 9月13日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター4にて15:35の回を鑑賞。{%電車webry%} ...続きを見る
みはいる・BのB
2009/09/28 21:21
ウォンテッド
ティムール・ベクマンベトフ監督、ジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマン等が出演の新感覚アクションもの。 ...続きを見る
Yuhiの読書日記+α
2009/09/28 23:19
映画「ウォンテッド」
原題:Wanted この映画は10代、20代に受けているそうで、お年寄りにはどうかとも思うけど、ビッグネームのヒロインに惹かれて、結局観に行ってしまった〜確かに凄い〜 ...続きを見る
茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行...
2009/09/29 00:29
「ウォンテッド」
「ウー…ウォンテッド!」といえば、ピンクレディー。(と書いた人いるでしょー? あ、私もか。) この映画、アンジー(アンジェリーナ・ジ... ...続きを見る
或る日の出来事
2009/09/29 07:43
『ウォンテッド』
昨日は仕事が終わってから、急いで新宿ピカデリーに直行。 もうそろそろ上映終了になってしまうそうな気がしたので、『ウォンテッド』をやっと観てきました。 さすがに公開開始からだいぶ経ってる作品なので、金曜の夜とはいえ、そんなに混んでいなくてよかったなーと。 ...続きを見る
cinema!cinema! ミーハー映...
2009/09/29 10:09
★「ウォンテッド」
今週の週末レイトショウは、 「川崎チネチッタ」でマカヴォイものを。 日本語吹替え版も竹下登元首相の孫のDAIGOが主人公の声で出てるけど、 ひらりん的には字幕版をチョイス・・・レイトショウはたいてい字幕のみなのね。 ...続きを見る
★☆ひらりん的映画ブログ☆★
2009/09/29 11:07
「ウォンテッド」
WANTED 2008年/アメリカ/110分/ R-15 at:TOHOシネマス梅田 ...続きを見る
寄り道カフェ
2009/09/29 13:15
ウォンテッド(映画館)
”1を倒して、1000を救う” ...続きを見る
ひるめし。
2009/10/01 18:29
ウォンテッド
Wanted (2008年) 監督:ティムール・ベクマンベトフ 出演:ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、アンジェリーナ・ジョリー 冴えないサラリーマンが凄腕の暗殺者の血筋を引いていると知り、その能力を覚醒していく物語。 カーブ球を投げるかのごとく、曲がる弾丸を撃つ、思いのままに車を回転させるなど、劇画(グラフィック・ノベル)の世界観が見事に映像化され、童心が蘇る。主人公たちが暴れる度に、かなりの二次的被害が出ていると思われるが、何事もなかったかのように話が進んでいくウルトラマン的展... ...続きを見る
Movies 1-800
2009/10/02 23:37
『ウォンテッド』を観たぞ〜!
『ウォンテッド』を観ましたマーク・ミラー&J・G・ジョーンズによる人気グラフィック・ノベルを「ナイト・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフ監督がスタイリッシュに映像化。オスカー女優アンジェリーナ・ジョリー、『つぐない』のジェームズ・マカヴォイが規格外... ...続きを見る
おきらく楽天 映画生活
2009/10/21 22:16
ウォンテッド
作品情報 タイトル:ウォンテッド 制作:2008年・アメリカ 監督:ティムール・ベクマンベトフ 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン あらすじ:恋人にも捨てられ、人生にうんざりしているウェズリー(ジェームズ・マカヴォイ)。そんな彼の前に突如現れた謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)は、ウェズリーの亡き父が秘密の暗殺組織をけん引するすご腕の暗殺者だった事実を彼に知らせる。しかも父亡き今、ウェズリーは組織を... ...続きを見る
★★むらの映画鑑賞メモ★★
2010/07/26 01:53
「ウォンテッド」
お勧め度:★★★★☆ ...続きを見る
ドゥル的映画鑑賞ダイアリー
2010/08/04 02:16
映画『ウォンテッド』を観て
78.ウォンテッド■原題:Wanted■製作年・国:2008年、アメリカ■上映時間:110分■字幕:松浦美奈■鑑賞日:9月20日、新宿プラザ劇場(歌舞伎町)スタッフ・キャスト(役名... ...続きを見る
KINTYRE’SDIARY
2011/02/21 21:59

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
コメトラありがとうございました。
映像重視のあまり(?)、話に穴がありすぎな映画なのかもしれませんね。
漫画チックなところは楽しかったですが、適当すぎるんでしょうね〜。
ボー
URL
2009/09/29 07:55
私はこれはこれで漫画チックのまんま面白かったわ。
最後のやっつけ方もここまで漫画チックだとかえってなんも考えず乗れたわ。
こういうのって乗れるかどうかなのかな?
シュエット
2009/09/29 11:30
ボーさん、こんばんは。

>話に穴
突っ込めても突っ込む必要のないものは一般的に【映画の嘘】といって見過ごせば良いわけですが、本作の場合はお話として成り立っているのか、どうも怪しい。僕には家で言えば土台部分がへなへななような気がするんですけどね。
オカピー
2009/09/29 18:16
シュエットさん、こんばんは。

前半は面白かったんですよ。
ところが、列車で真相が判明し始めてから、お話が矛盾だらけになってきて「こりゃあかん」ということになりました。

>最後のやっつけ方
幕切れですか?
暗殺集団における権力を掌握して世界の征服を企むような男の行動としては、問題外ではないかという気がしましたよ。
つまり、騙されてみじめなことになったのが問題外なのではなく、暗殺を逃れた青年が暗殺されるのを待つように普通の生活に戻っていると考えることは余りに非常識ではないか、ということです。つまり、脚本が非常識と思えたわけです。

その前のアンジェリーナ・ジョリーが暗殺の名前が挙がっている全員即ち自分まで殺す場面は「凄い!」という印象があります。
但し、優秀なメンバーをあんなに次々殺してフリーマン氏はやっていけるのか考えなかったかという新たな疑問も出てきますけどね。
オカピー
2009/09/29 18:33
プロフェッサー、こんにちは。

私これ、劇場で鑑賞しましたが、単純に楽しんで鑑賞しました。
もちろん、首をかしげる点は多々でしが。

そして、感想記事を書くにまでにはいたりませんでした。

イエローストーン
URL
2009/10/11 09:08
イエローストーンさん、こんにちは。

そう仰る方が多いですね。

僕の場合は、頭のネジが緩んでいる人を除いて登場人物の行動が理に適っていないと困ってしまうんですよねえ。
例えば、それが主人公であれば感情移入しにくく、
それが敵であればサスペンスが逃げて行く。
それがお話の土台に近い部分であればあるほど、つまらないお話しになってしまうわけでして。

映像的には大変面白い作品でしたけどね。もう少し人間の行動に「本当らしさ」がないといけないのではないかと思いました。
オカピー
2009/10/11 14:45

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「ウォンテッド」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
[ ]