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zoom RSS 映画評「フローズン・タイム」

<<   作成日時 : 2009/04/07 14:42   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 7 / コメント 4

☆☆★(5点/10点満点中)
2006年イギリス映画 監督ショーン・エリス
ネタバレあり

本作を監督したショーン・エリスはファッション写真家とのこと。

恋人ミシェル・ライアンに振られたショックで不眠症になった画家志望の美大生ショーン・ビガースタッフが、眠れない8時間を有効に使おうと24時間営業スーパーの夜間スタッフとして働き始め、同僚の美人エミリア・フォックスに惹かれていく。

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というだけではただの青春ロマンスだが、本作は、時間の長短の感覚は心理により左右されるという心理学を発展させ、時間が止まってしまった主観的世界に彼が沈潜するというアイデアをフィーチャーしたところがミソ。

その世界にいる間に彼はエミリアの美しさに惹かれデッサンを描き続けるが、店長の誕生パーティーで誤解した彼女にサヨナラされてしまう。が、彼女は、【嘘から出た真】で開かれることになった彼の個展が彼女のポートレイトのみで構成されているのを見て、彼の愛を理解する。

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ロマンティックと言えないこともないが、実際には止まった時間で女性の買い物客の服を脱がせ、その一方で好きな彼女には手を出さない屈折ぶりが興味深いまでに不健康(なので、ロマンティックとは程遠い)。が、話の流れがぶつ切り的でスムーズでなく、フットサルの場面を始めとして無駄な描写が散見される為、映画として面白いかどうかは別問題である。
 また、理屈っぽい左脳人間としてはフットサル場での謎の人物やラスト・シーンにおけるエミリアが主人公同様に止まった時間の中で動ける理屈を示してくれないのが物足りない(後者について言うのは野暮だと承知しております)。映画全体が主観描写によるものであることを示す手段であるモノローグの多用が、同時に映画としての魅力を減殺する手段にもなっているのは厳然たる事実。

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といった次第で、商業映画としての総合的な完成度には疑問が多いが、映像は、主人公のモノローグを被せた開巻直後の怒るミシェルをハイスピードカメラ(スローモーション)で捉えたショットや彼だけが動く場面でのショット群などなかなか新鮮。止まった場面に良いショットが多いのは写真家らしい。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
>止まった場面に良いショットが多いのは写真家らしい。
友人がこの映画の映像が良かったっていって、ホニャララしたDVD貸してくれたけど、まだ観てない。
ショット映像は楽しめそうですね。
内容をカバーできる映像かどうか…そこが問題だ!みたい。
今夜あたりDVDで見てみますわ。
そうそう、団塊ボーイズでいい忘れたけど、今夜ミッキー・ロークがでてる「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」これも面白そうですよね。未見だからどんなもんか観てみようと思っている。
ミッキー・ロークトいえば、まだ美少年だった「白いドレスの女」も見なければ!です。「エンゼル・ハート」も放映。この作品も結構好きなんです、私。
話が脱線してしまってごめんなさい。
シュエット
2009/04/08 15:17
こんばんは。最近ごぶさたしてますので、ふと目についた記事で訪問です。
たしかに、それほどではない映画だと思いましたが、写真家らしい感性はあったかなあと。
ヌードを売りにする(日本の宣伝だけかもしれませんが)なんて、ちょっと魂胆がいやらしい。それ目当てで見た私も同様だったりして。笑。
ボー
URL
2009/04/08 23:12
シュエットさん、こんばんは。

良いショットと言っても、
正直、女性のヌードがなかなか綺麗だったんですよ。
ヌード・モデルらしいですが、さすがなんです。

商業映画としてかっちりと評価するとダメかもしれませんが、お遊び的に観る分にはなかなか面白いシャシンかな。

>「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」
割合好きな作品でしたよ。

>「白いドレスの女」
この頃は映画がまだまだ映画らしかったですよね。
最近は時系列操作、気取ったナレーションといった小手先で作られた作品が良い映画のように思われていますから、
映画界は完全に末期症状。
オカピー
2009/04/09 01:12
ボーさん、こんばんは。
お久しぶりです。

>魂胆がいやらしい。それ目当てで見た私も同様だったりして。
いや、女性の裸を目の前にして、スケッチしている主人公の方がずっと不健全です。(笑)
オカピー
2009/04/09 01:16

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