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<<   作成日時 : 2009/03/28 17:18   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 11 / コメント 6

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2007年アメリカ映画 監督アンドリュー・ドミニク
ネタバレあり

若い映画ファンには余りお馴染みではないかもしれないが、ジェシー・ジェームズは19世紀後半のアメリカ犯罪史上に名高いギャングで、様々な映画に取り上げられている。僕が観た中で一番古いのは「地獄への道」(1939年)だが、彼の一味の活動を知る向きにお勧めしたいのは「ミネソタ大強盗団」(1972年)や「ロング・ライダーズ」(1980年)。近年の「アメリカン・アウトロー」(2001年)は日本では評価が高いようだが、騒々しいだけで大したことはなかった。

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本作はヤンガー兄弟らと組んで暴れ回った南北戦争直後のお話ではなく、晩年の半年ほどに焦点を当てている。原作はロン・ハンセンの長編小説。

1881年9月、ミネソタ州ブルーカットでの列車強盗の為に集められたメンバーであるチャーリー・フォードの弟で弱冠19歳のロバート(ケイシー・アフレック)はフランク・ジェームズ(サム・シェパード)に売り込むが相手にされず、結局その弟ジェシー(ブラッド・ピット)に使い走りとして採用される。
 少年はジェシーを活動を大げさに描いた小説により熱烈な信奉者になっていたわけだが、満身創痍で事実上活動を終えようとしていた頃なのでジェシーへの失望が募り、しかも手下の裏切りに備えるジェシーの攻撃を恐れる余り官憲に協力するようになり、1882年4月遂に彼を背中から射ち殺してしまう。

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歴史的強盗に憧れる少年の心理を描こうとしているのは明らかだから、この映画を西部劇には分類しない。従って真の主人公はロバート・フォードである。それは、ジェシーが暗殺された後に少年が兄と暗殺の一幕を舞台で演じながらも賞賛されることなく酔いどれて10年後に暗殺されるまでを30分も掛けて描いていることからも裏打ちされている。

ロバートが自らの英雄を裏切っていく心理は彼が後に恋人に語ることが真相だろうが、ジェシーの最後の謎めいた行動も大変興味深い。官憲の目をくぐる生活や病気に疲労したのか、わざとガンベルトを外し、額を拭くと称して背中を向ける。半ば自殺であった可能性が高い。
 方や、懸賞金のかかった“悪党”を倒して賞賛されるだろうという思惑が外れロバートが結局暗殺されるのは、ドッペルゲンガー(分身)の悲劇と言うべきである。

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ただ、小説等の喧伝によりジェシーがロビン・フッドや鼠小僧のような義賊に祭り上げられていたのは登場人物の言葉から解るものの、彼らを強盗に変貌させた南北戦争といった社会的背景などが一切説明されない上での展開なので、カメラが人物に寄って個人的心情にアプローチすればするほどジェームズとフォードの特殊性が薄れ、冗長に思えてくる場面が目立つ。従って、一般的な見地からは面白いと言いかねるが、ある程度背景を知っている人や心理劇に興味のある人なら結構手応えがあるにちがいない。

本作最大のマイナス点はナレーション。元来この手法が嫌いな僕だが、本作のナレーションには相当げんなりさせられた。最初のうちは西部劇によくあるバラッド形式のつもりで観れば良いだろうと思っていたが、最後までのべつ幕なく挿入され、場合によっては小説よろしくナレーションが心情まで語ってしまうのが興醒めなのである。原作からの文言の抽出が上手く行っていないような気がする。

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その反面断然素晴らしいのが、ご贔屓撮影監督ロジャー・ディーキンズの撮影。ニュージーランド出身の若手監督アンドリュー・ドミニクを援けて余りある。

配役ではブラッド・ピットもなかなかの好演だが、収獲はもごもご話すケイシー・アフレック。あのベン・アフレックの弟は思えないほど強烈な印象を残す。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
ジェシー・ジェームズの暗殺/ブラッド・ピット
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カノンな日々
2009/03/28 18:26
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(原題:The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford) ...続きを見る
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2009/03/28 23:55
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映画と暮らす、日々に暮らす。
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あらすじ南北戦争にゲリラとして参加し、その後は犯罪集団となったジェシーとその兄フランクが率いるジェームズ一味。彼らが新たに企てた列車強盗計画に、ひとりの若者ロバートが加わった。彼は新聞や本でジェシー一味の活躍を知りジェシーに心酔していたのだ。列車強盗を... ...続きを見る
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2009/03/29 06:46
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悪名高き無法者のジェシー・ジェームズと、暗殺者ロバート。 ...続きを見る
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2009/03/29 09:20
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あこがれて こがれて 心がつぶれた。 ...続きを見る
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2009/03/29 12:45
14「ジェシー・ジェームズの暗殺」(アメリカ)
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CINECHANの映画感想
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★「ジェシー・ジェームズの暗殺」
今週の週末レイトショウ鑑賞は・・・ ブラッド・ピットが主演・・・ ヴェネチア映画祭で男優賞を受賞したという作品。 ...続きを見る
★☆ひらりん的映画ブログ☆★
2009/03/30 00:14
ジェシー・ジェームズの暗殺
The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford (2007年) 監督:アンドリュー・ドミニク 出演:ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック 西部の無法者ジェシー・ジェームスと仲間でありながら彼を殺害したロバート・フォードの物語。 本来なら原題の通りR・フォードが主役であるにも関わらず、映画賞のノミネート状況をみるとJ・ジェームズの方が主役となっていることからもわかるように焦点のはっきりしない映画だった。 実際、J・ジェーム... ...続きを見る
Movies 1-800
2009/03/30 00:46
「ジェシー・ジェームズの暗殺」
南北戦争後、仲間を率いて強盗や殺人など無法の限りを尽くしたジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)。 南部州民からは抵抗の象徴として次第に英雄視されていく。そして、最初の強盗から15年あまりが 過ぎた1881年、長い逃亡生活で神経をすり減らすジェシーだったが、兄フランク(サム・シェパード)と 新たな列車強盗を企てていた。そんな彼の前に、自分を懸命に売り込もうとする一人の若者が 現われる。ジェームズ一味のメンバー、チャーリー(サム・ロックウェル)の弟で、ジェシーを人一倍崇拝 する青年ロバート・フォ... ...続きを見る
心の栄養♪映画と英語のジョーク
2009/03/30 07:17
“卑怯者”ロバートの哀しみ―「ジェシー・ジェームズの暗殺」Part2
この作品の主人公は暗殺者ロバート・フォードである。彼の心理の変化を追うことで、アンタッチャブルな伝説ジェシー・ジェームズの真の姿を解析している。それはとりもなおさず、アメリカの原風景たる西部のイノセンスが、いかにして終焉を迎えたのかを知ることにもなるのだ。 ...続きを見る
豆酢館
2009/03/30 22:34

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
プロフェッサーはこれからご覧になると
思いますが先日あげた「ダウト〜ある
カトリック学校で〜」記事でごく近しい
知人(年上の映画ファン)からかなり長文の
異論メールをいただきましてね。
映画的手法の効果と舞台のそれについて
再考するいい機会をもらえました。
プロフェッサーの論評が楽しみです。

本作の頻発ナレーションはおっしゃる通り
原本によりかかり過ぎた弊害でしょう。
あのように卓越したディーキンズのカメラが
雄弁に美しく語っているのに、いまさら
何をか言わんや、ですわね。

・戯曲としての効果
・小説としての語り。
・映画(映像)でなければ成しえない
表し方
これらをいかにも混同なさっている
作り手&鑑賞者が多いのが目につきます。
映画は台詞に全てを言わせてはいけません。
ナレーションに心情を語らせるなど
もってのほか。
大いなる手抜きでしょう。^^




vivajiji
URL
2009/03/29 06:27
こんばんは。
J・ジェームズが死んでから、ようやく面白くなってきました。
彼が死ぬまでの1年に2時間以上かけ、その後、R・フォードが死ぬまでの10年を30分で描く構成はバランスが悪いとしか言えません。
hash
URL
2009/03/30 00:54
viva jijiさん、こんばんは。

ちんたらと誠にゆったりと進行する展開速度を挽回するかのように、饒舌なナレーションが一気に説明してくれる、って寸法になっていますよね。
実際には挽回できていないのが笑えます(苦笑い)し、
このバランスの異常さに文句を言うより却って感心してしまいましたぞ。(笑)

「何でもかんでも台詞で説明してはダメ」というのは餓鬼っちょの言い分ですが、やはり映像や行間で描けることまで台詞を使うのは含みを知らぬアホです。

お話のバランスも悪くて、ジェシーの暗殺までの2時間はお話としては退屈ですよねえ。
抜群の映像を見て時間をやり過ごしていましたが、いつしか眠っちまいました。(爆)

>・映画(映像)でなければ成しえない表し方
これ、大事ですよねえ。
その意味で昨日の「大いなる陰謀」は事実上の台詞劇でしたが、絶妙な場面の繋ぎが実に映画的でした。あれは舞台では勿論無理ですし、小説でもあの呼吸の面白さが出て来ない。

しかし、★一つ余分だったかな。まあ、映像詩にほれ込んだ部分もあるので・・・
オカピー
2009/03/30 02:27
hashさん、こんばんは。

☆☆☆★という高い点を進呈してしまったものですから、
「その通りです」と言いたくないのですが、
その通りです。(笑)
どうしても160分かけたいのなら、最後の部分をせめて20分長くし、前段を20分短くすれば、バランス的には大分まともになるでしょう。
オカピー
2009/03/30 02:34
ナレーションは確かにうるさいですし、作品の構造バランスも悪い。

これはロバート・フォードが主人公なのだから、ジェシーが死ぬまでを40分で描いて、残りは全部ジェシー亡き後のロバートの彷徨に充てるべきでした。ちなみに原作の方では、ジェシー死後のエピソードが丹念に描写されています。

でもまあ、ブラピがジェシーを演じるんじゃ、このバランスにならざるをえんかもね(笑)。
豆酢
2009/03/30 22:41
豆酢さん、こんばんは。

>ジェシーが死ぬまでを40分で描いて
ブラピを使う前提なら、ヒッチコックの「サイコ」作戦ですね。^^)v
あれは、「燻製にしん」というミスリード戦略だったわけですが。

僕は「原作をリスペクトしろ」などという幼稚なことは言いませんが、原作からの場面抽出がスター俳優の起用により余り上手くいかなったのかもしれませんね。

ロバート・フォードは「忘れられた」と説明されますが、日本の西部劇ファンはみ〜んな知っていますよ。従って、あの文言は大嘘です。(笑)
オカピー
2009/03/31 01:33

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