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zoom RSS 映画評「ペネロピ」

<<   作成日時 : 2009/02/18 15:18   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 10 / コメント 2

☆☆☆(6点/10点満点中)
2007年イギリス=アメリカ映画 監督マーク・パランスキー
ネタバレあり

「眠れる森の美女」「美女と野獣」のヴァリエーション的英米合作ファンタジー。

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先祖の不行跡の為に魔法使いに呪われて豚の鼻(と耳)を持って生まれてきた少女ペネロピ(クリスティナ・リッチ)が、上流階級の男性との結婚をすれば呪いが解けると信じる母親の考えにより、マジックミラーになっている部屋に男性を招き入れて見合いを繰り返すが、彼女の鼻に悶絶して慌ただしく逃げ出される始末。今まで口封じに成功したのに最後の青年エドワード(サイモン・ウッズ)にまんまと逃げられた為、彼女の存在が曲がりなりも世に知られてしまう。
 しかし、誰にも相手にされない青年は因縁のある記者と手を組んで何とか写真を撮ろうと、落ちぶれた上流青年マックス(ジェームズ・マカヴォイ)を担ぎ出す。一家はこの若者の反応に手応えを得るが、【結婚】は拒否され、遂に娘は勇気を奮って町に出てみることにする。

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ストレートに童話を踏襲しているようで次第に人間風刺劇の様相を帯びてくるが、ちょっと面白い程度に終った感が強い。

原因の一つは構成上の齟齬感である。町での色々な体験の後彼女は自身を曝け出し一躍人気者になり、紆余曲折の末にありのままの自分を受け入れ、その結果呪いが解ける、という展開におけるドラマツルギーの破綻、これなり。つまり、「見栄を捨てありのままの自分を受け入れる」というテーマを【呪いが解けて普通の人になる】童話的展開によって自ら弱めてしまっているのである。
 但し、現実と対峙するヒロインとのコントラストにより彼女の自信を呪いの中に押し留めてしまった母親(キャサリン・オハラ)の虚栄心が空しく浮かび上がるという寸法になっているのは宜しい。
 また、「御曹司との【結婚】で呪いが解けるなんて甘いのではないか」という観客の疑問を逆手に取る展開にしたこと自体は優れたアイデアと言える。

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話が相前後して恐縮だが、ビジュアル的にも計算違いがある。“醜い”はずのペネロピが全く醜いと感じられないので、候補者諸君が二階の窓を突き破ってまで逃げ出す理由に説得力を欠くのである。「最初の鼻はもっとリアルでグロテスクだった」というクリスティナ自身のコメントをどこかで読んだことがあるが、このお話を効果的にするなら最初のメイクに固執すべきであっただろう。彼女が一般人の容貌に戻るという展開ならギャップが味わえ、戻らない展開なら「自身を受け入れる」ことの意義が増したはずなのだ。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
ペネロピ
製作年度 2006年 製作国・地域 イギリス/アメリカ 上映時間 101分 監督 マーク・パランスキー 脚本 レスリー・ケイヴニー 出演 クリスティナ・リッチ/ジェームズ・マカヴォイ/キャサリン・オハラ/ピーター・ディンクレイジ/リチャード・E・グラント/サイモン・ウッズ/リース・ウィザースプーン ...続きを見る
to Heart
2009/02/18 16:45
『ペネロピ』('08初鑑賞36・劇場)
☆☆☆☆− (5段階評価で 4) 3月15日(土) 109シネマズHAT神戸シアター5にて 17:05の回を鑑賞。{%リボンwebry%} ...続きを見る
みはいる・BのB
2009/02/18 20:25
「ペネロピ」
イギリスの名家、ウィルハーン家の娘ペネロピ(クリスティナ・リッチ)。彼女の鼻と耳は豚の それだった。この家に古くから言い伝えられてきた呪いのためだ。母ジェシカ(キャサリン・ オハラ)は、世間の好奇の目を遠ざけるためペネロピを死んだことにしてしまう。以来、屋敷 から一歩も外へ出ることなく成長し、18歳になった彼女。真実の愛が呪いを解くと、母によって お見合いをさせられる。しかし次々と現われる求婚者たちも、ペネロピの顔を見た途端逃げ出して しまう。それから7年、記者レモン(ピーター・ディンクレイジ)... ...続きを見る
心の栄養♪映画と英語のジョーク
2009/02/18 22:28
ペネロピ/クリスティナ・リッチ
予告編からして面白そうな予感アリアリだったけど、ヒロインの豚鼻は呪いの魔法によるというファンタジーだと知ってさらに期待値さらにアップしちゃって優先順位も繰り上げちゃいました。 ...続きを見る
カノンな日々
2009/02/18 22:38
『ペネロピ』
(原題:PENELOPE) ...続きを見る
ラムの大通り
2009/02/18 23:02
★「ペネロピ」
今週の平日休みは「109シネマズ川崎」で2本。 その1本目。 熱烈?なペネロペ・クルスのファンのひらりんとしては、とっても気になるタイトル。 もちろん彼女とは全く関係ない作品で・・・ 怪演技が続くクリスティーナ・リッチが主演。 ...続きを見る
★☆ひらりん的映画ブログ☆★
2009/02/18 23:23
ペネロピ(映画館)
豚の鼻を持って 生まれてきた私は 夢見てた――― 恋することを。 ...続きを見る
ひるめし。
2009/02/19 11:07
86「ペネロピ」(イギリス)
呪いは自分の心にある  イギリスの名家ウィルハーン家の一人娘として生まれてきたペネロピ。ウィルハーン家に古くから言い伝えられてきた恐ろしい呪い、それが現実としてペネロピに降りかかり、彼女の耳と鼻は豚のようだった。娘を守りたい一心で、両親はペネロピを死んだことにし、以来ペネロピは屋敷から外へ出ることなく、成長してきた。  彼女の呪いを解く方法はただ一つ。ウィルハーン家と同じ名家の青年に愛されること。こうして18歳になったペネロピはお見合いを繰り返すが、彼女の顔を見た男たちは逃げ出してしま... ...続きを見る
CINECHANの映画感想
2009/02/20 01:24
ペネロピ
Penelope (2006年) 監督:マーク・パランスキー 出演:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ、キャサリン・オハラ 先祖にかけられた呪いのせいで、豚の鼻と耳を持って生まれた女性ペネロピの物語。 まず、ストーリーが、白馬の王子が現れ、呪いを解いてめでたしめでたしという受身的なものではなく、ヒロイン自らが一歩を踏み出し、自らの判断によって呪いが解け、幸せをつかむという前向きであるところが良い。 また、落ちぶれた名家の男、片目のカメラマン、スニーカーの執事など、キーマンとなるキャ... ...続きを見る
Movies 1-800
2009/02/20 21:38
ペネロピ
「ペネロピ」 感想 ペネロピ 好きになりたい。 豚の鼻を持って 生まれてきた私は 夢見ていた── 恋することを。 ...続きを見る
むーびーふぁんたすてぃっく
2010/01/15 19:27

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『シュレック』のほうがよかったですね。
あれで、美人になっていたら印象がうすくなって2本目はなかったな。
藤原紀香も声優のほうがあっている気がしますしね。
ねこのひげ
2009/02/19 05:48
ねこのひげさん、こんばんは。

>『シュレック』
観ている間は古典的な童話ばかり考えていましたが、そう言えば、逆転的発想の「シュレック」という佳作がありましたね。
元に戻っていたら二本目はなかった、というのはその通りでしょう。

>藤原紀香
声優としての評判は上々ですね。
余り関心はないですけど。^^;
オカピー
2009/02/20 01:28

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