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☆☆☆(6点/10点満点中) 2005年アメリカ映画 監督リサ・ラックス、ナンシー・スタックス ネタバレあり ガーナは内戦が絶えない国々が多いアフリカにあって進歩的な考えに支えられている国家で、昔ながらの首長同士の争いを鎮める為に日本国憲法が引用されたという話も聞いている。 そんな国家ながら身体障害者は就職できないといった著しい差別が数年前まであった。呪術的な迷信があり、身体障害者は呪われて生まれてきたと信じ込まれていたからだと言う。障害者は物乞いになるしかない(なかった)のである。 これを変えたのは、右足が曲がって生まれたエマニュエル・オフォス・エボワという若者である。自転車でガーナ横断を果たして国民の人気者になった後、アメリカの障害者支援団体が主催する自転車レースに出場、この時義足を付けることを勧められる。家族の為に迷った挙句に受けた手術の僅か1週間後にトライアスロンに挑んでガーナ国民を勇気づけ、帰国後は旧態依然の政府の考えを変える為に地道に政治家たちに遭い、自らの支援金で車椅子を障害者に与え教育基金を発足するなど差別撤廃の裾野を広げていく。 そして、彼の考えに共感した大首長が不浄とされてきた障害者を宮廷に招くという“イベント”が決定的になる。何となれば大首長は国家元首以上に地元の人々への影響力を持っているからで、本作が作られた時点(2005年)では審議中だった障害者支援法が日本で公開された時には既に通過した為に日本語字幕では独自にその旨が報告されている。 一般的にドキュメンタリーの評価は劇映画に比べると難しい。創作的なところがない為に素材自体で興味の大半が決まってしまう悩ましさがあるからで、通例、演出(編集)の簡潔さ、構成の効果、主張の首尾一貫性くらいしか判断材料がない。 本作に関しては80分という上映時間の中でガーナの実態、エボワ青年の前半生から現在の活動、援助団体の出来た由来まで遍くカバーしていて簡潔さにおいては文句なし。少なからぬインタビューで話し手を延々と映さないのが宜しい。 効果と言えるほど興味深い構成は採られていないものの、内容的に「人間とは」と考えさせられてしまうところが多い。不屈の精神と簡単に言うものの青年は健常者ではなかなか持てない強い精神力を持っているし、その精神力を育てたのは彼を物乞いにすることなく三十代で亡くなった母親であっただろう、という感慨が湧き起こる。 TV「アンビリバボー」に使われる前に映画化しました――作者の弁(嘘です)。 |
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