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zoom RSS 映画評「ロッキー・ザ・ファイナル」

<<   作成日時 : 2008/07/02 14:40   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2006年アメリカ映画 監督シルヴェスター・スタローン
ネタバレあり

「ダイ・ハード」シリーズが復活した時も多少は驚いたものの、「ロッキー」の新作が出ると聞いた時は腰を抜かした。何しろシルヴェスター・スタローンは製作当時60にならんとする年齢である。50を過ぎたばかりのブルース・ウィリスとは比較にならないし、スパンも16年と「ダイ・ハード」の12年より長い。調子づいて「ランボー」の新作にまで出演したところを見ると、開き直ってチャールズ・ブロンスンの境地を行くことにでもしたと見える。

一方、製作の背景に思いを馳せると、ハリウッド映画の深刻なネタ不足に行き着く。リメイクやシリーズもののオン・パレードの今、新しいシリーズでも間に合わなくなったので、古いおもちゃ箱を掻き回し次々と繰り出して来たのであろう。
 それはともかく、原題はRocky Balboaと極めてシンプルで、第1作のクラシックな気分が蘇ってくる。

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愛妻エイドリアン(タリア・シャイア)を失って数年、彼女の名を使ったレストランのオーナーとして客に武勇談を語る日々を送るロッキーは喪失感に責め苦しめられ、一介のボクサーとしてリングに上ることを決意してライセンス再交付に漕ぎ着ける。
 方や無敵過ぎて人気がない現役チャンピオンのメイソン・ディクソン(アントニオ・ターヴァー)側が行き詰まりを打破すべく、復活したかつての王者とエキシビション・マッチを企画し、遂に実現の運びとなる。

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実年齢60のスタローンをリングに立たせるお話を成立させる為に、強いが人気のない現チャンプと年を取ったが人気絶大の元チャンプをエキシビションで格闘させるというアイデアが上手い。

これに「ロッキーV」で出てきた息子ロバート“ロッキー・ジュニア”を絡め、些か説教臭い台詞が多くなっているが、故人となった愛妻や義兄、元不良娘の母子を交えて豊かに醸成した人情によりそうした臭いをうまく中和しているのも宜しい。人情を基調にした第一作を踏襲した作風の効果である。人の感情を沈潜させるロングショットの使い方を観れば、如何にスタローンがジョン・G・アヴィルドセンの演出を勉強したか伺えよう。

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彼はディクソンと戦ったのではない。自分を打ちのめそうとする人生と戦ったのである・・・そう思って元気づけられる老若男女の方々も少なくないはずで、そこに本作の価値を見出すのは間違いではない。芸術ファンを満足させる作品だけが良い映画にあらず。

これで本当に見納めになりますかな。

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ロッキー・ザ・ファイナル
ボクシング映画にはカメがつきもの・・・ ...続きを見る
ネタバレ映画館
2008/07/02 19:04
『ロッキー・ザ・ファイナル』
(原題:Rocky Balboa) ...続きを見る
ラムの大通り
2008/07/02 22:19
■ ロッキー・ザ・ファイナル/ROCKYBALBOA (2007) 
監督・脚本・主演 : シルヴェスター・スタローン出演 :  / ジェラルディン・ヒューズ音楽 : ビル・コンティ作曲『ロッキー』GonnaFlyNow公式HP  || 「 ロッキー・ザ・ファイナル/ROCKYBALBOA (2007) 」ロッキーという実在の人物とチャンピオン、モハメ... ...続きを見る
MoonDreamWorks
2008/07/03 09:14
ロッキー・ザ・ファイナル
Rocky Balboa (2006年) 監督:シルベスター・スタローン 出演:シルベスター・スタローン、バート・ヤング、ジェラルディン・ヒューズ 飽くなきチャレンジを続けるボクサーとそれを支える妻の愛を描く20世紀の人気シリーズの16年ぶりの新作にして完結編 WOWOWでは本作の放映にあたり、過去5作品も放映されたので改めて鑑賞したが、この6作目に一番感動してしまった。 観る前は、キーパーソンであるエイドリアンが出ないのは何故だろうと思っていたが、過去の栄光にすがって生きている年老いた男が再... ...続きを見る
Movies 1-800
2008/07/12 00:30
『ロッキー・ザ・ファイナル』('08初鑑賞91・WOWOW)
☆☆☆☆☆ (5段階評価で 5) 7月12日(土) WOWOWのHV放送を録画で鑑賞。{%ダッシュhdeco%} ...続きを見る
みはいる・BのB
2008/07/15 22:33
『ユメ十夜』 ('07初鑑賞20・劇場)
☆☆☆☆− (5段階評価で 4) 2月11日(祝・日) シネ・リーブル神戸 シネマ3にて 15:45の回を鑑賞。{%meteor_a%} ...続きを見る
みはいる・BのB
2008/07/15 22:36
<ロッキー・ザ・ファイナル> 
2006年 アメリカ 102分 原題 Rocky Balboa 監督 シルヴェスター・スタローン 脚本 シルヴェスター・スタローン 撮影 J・クラーク・マシス 音楽 ビル・コンティ 出演 シルヴェスター・スタローン  バート・ヤング  マイロ・ヴィンティミリア    ジェラルディン・ヒューズ  アントニオ・ターヴァー ...続きを見る
楽蜻庵別館
2008/07/23 10:40
映画評「ロッキー」
☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1976年アメリカ映画 監督ジョン・G・アヴィルドセン ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2018/02/06 08:54

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
>自分を打ちのめそうとする人生と戦った
そうですね。
そして、S・スタローン自身の戦いでもあったと思います。
その点も含め、予想外に感動してしまいました。
hash
URL
2008/07/12 00:53
hashさん、こんばんは!

予想以上に良かったですね。
教訓臭い台詞が立て続けに出るのには些か鼻白むところがある一方で、人情を上手く絡めて巧妙に作られた、ある意味大変プロフェッショナルな出来栄えでしたよね。
オカピー
2008/07/12 22:28
 こんにちは!
 劇場で観たときには否定的に観てしまいましたが、WOWOWで放送されたときに再度見たときには考えが変わりました。スタローンが原点に戻ってロッキーを見つめ直している感じに好感が持ってますし、自身のキャリアを総決算している風でもあり、自分を見捨てかけたハリウッドへのリベンジのようにも見えました。
 
 バート・ヤングとの絡みも良く、ランボー・シリーズや勘違いしているロッキー5とは違う家族との人情にスポットを当てたのも正解でしたね。

 ロッキー、そしてランボーのお葬式に参加できたのは良かったのかもしれません。あのまま両シリーズの完結編を作る機会も与えられずに老いてしまえば、元スターという汚名とともに生きていかねばなりませんでした。最後の華を咲かせてくれました。

 上映時間が100弱くらいと、少し短い気もしましたが、押し切っていくにはあれくらいの時間で良いのでしょうね。ではまた!
 
用心棒
2008/07/15 09:15
用心棒さん、こんばんは!

 僕は根が素直だから(笑)、構図的に単純化された「ロッキー」シリーズ第2作以降も深読みせずに純粋に楽しんだ記憶がありますが、こちらは第1作の感覚が見事に蘇っていて、大変嬉しかったですね。
 格別に凝ってはいないカメラワークも、ロングショットを多く交えて、味わい深いものがある。勘ですが、アヴィルドセンの第1作での手法を相当研究したのではないかな。

>ハリウッドへのリベンジ
 僕はハリウッドというか、世の中の要請で作ったのではないかと思っていましたが、内容から鑑みて、用心棒さんのような推理も成り立つような気がします。
 とにかく、結果は大成功でした。
オカピー
2008/07/15 23:21
オカピーさん お久しぶりです。
DVDで見ましたが。いろいろな登場人物の それぞれのおかれた状況から見れる作品でした。
まず チャンピオンとして君臨した日々も今は昔、妻のエイドリアンも亡くなり レストランのオーナーとして細々とした日々を送るロッキー。
思い出の場所に何度も来るのもエイドリアンを愛してたからにほかならない。義理の兄ポーリーとの言い合いでも

 ポーリー「オレは あいつには ひどいアニキだった こんな思い出・・・オレには ゴミだ。」
 ロッキー「愛するエイドリアンとの思い出はオレにとっては宝だ。」

 その義理の兄ポーリーも 長年つとめてきた精肉店から とうとう解雇されてしまい・・・ロッキーの店で やり場のない怒りと悲しみをぶつけていた。

<些か説教臭い台詞が多くなっているが>
そうなんですよね。父親の”バルボア”の名で 会社でさえない日々を過ごしてた息子ともギクシャク気味。
そんな息子には ”自分のふがいなさを 人のせいにするな、それは卑怯者のすることだ”
 それだけじゃない、対戦相手で 現役の若いチャンピオン メイソンにしても 秒殺KOばかりで 観客からのブーイングばかりで 実力があるのに不遇な扱いばかりで いら立ちの日々を送り  ロッキーとは違う形で 行き詰まりの思いを抱えていた。

<強いが人気のない現チャンプと年を取ったが人気絶大の元チャンプをエキシビションで格闘させるというアイデアが上手い。>
 このエキシビジョンマッチは 世間から 茶番のお遊びだろといわれて設定されたのが きっかけたけども  ロッキーはもちろん 家族たち それに 対戦相手のメイソンにとって 戦わないと 人生の転機を迎えれなかったと思ってます。 
zebra
2016/05/31 07:09
zebraさん、こんにちは。

シルヴェスター・スタローンは、なかなか才能がありますよね。
演技力もライバル視されるシュワちゃんとは比較にならないと思っています。
「ロッキー」シリーズの中でも僕は第1作に続いて、その影響の強いこの第2作が好きですね。

>妻のエイドリアンも亡くなり
タリア・シャイアが出演したがらなかったのかあ(笑)。エイドリアン、死んでしまいましたね。
オカピー
2016/05/31 21:04

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