プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 映画評「エクステ」

<<   作成日時 : 2008/04/30 14:18   >>

トラックバック 1 / コメント 0

☆☆☆(6点/10点満点中)
2007年日本映画 監督・園子温
ネタバレあり

純文学なのにホラー映画と言っても良いほど不気味だった「紀子の食卓」を作り上げた園子温監督の、こちらはホラー映画。

画像

横浜港のコンテナから大量の人毛と共に少女の死体が発見される。
 死体安置所の管理人・大杉漣は髪フェチで、死体から勢いよく生えてくる髪の毛に欲情、これを付け毛(エクステ)にして美容院に販売するが、殺された少女の恨みのこもったエクステを付けた人は次々と怪死する。
 一方、美容師を目指す少女・栗山千明が血の繋がっていない姉つぐみの娘(佐藤未来)を預かり難儀するある日、彼のエクステが彼女が勤める大手美容院に持ち込まれる。

暫くはサイコ・スリラー的な大杉サイドと妙に明るい栗山サイドが並行する展開。中盤における、児童虐待を繰り返すつぐみの出現は三つ目の社会派ムードを漂わしつつ、構造的には二つのサイドの相反するムードを接近させる役目を負い、漸くヒッピーの風体で大杉が彼女の美容院へ出現する一幕で全てが統一される。

画像

この作品には黒沢清「CURE」に通ずる名状しがたい心理的な圧迫感のある恐怖を醸成できる可能性があったと思うが、髪の毛が襲う直接描写が多すぎる為に変化球とは言え通俗味が強くなって、純文学映画「紀子の食卓」の恐怖に及ばない。
 一般的ホラーの範囲で語れば、交換した人体部位の元の持ち主の魂が悪さをする恐怖劇のヴァリエーションにすぎないものの、髪フェチの気色悪さや体のあらゆるところから髪が生えてくる異様な光景に一通り面白味がある。

画像

娯楽映画としての立場を離れれば、園監督にとって興味の対象らしい児童虐待の場面がショッキングだ。母親が未熟な場合恐らくこんな情景が日本各地で起きていると思うとそら恐ろしくなる。従って、母親が髪の毛にやられてしまうのは、人情的に当然という気になる。
 臓器売買についても触れられているわけだが、こちらはとりあえず形式だけと見受けられる。

一番サイコなのは、つぐみかもしれない。

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『エクステ』
----最近、園子温って精力的じゃニャい? 「そうだね。 『自殺サークル』を観たときは、 なんてグロい映画を作る監督だろうって思ったものだけど…」 ---思ったけど? と言うことは、今度はそうでもなかったんだ。 「いやいや。映像としてはさらにパワーアップ! ただ、寸止めにしているところは、 少しオトナになったのかなと(笑)」 ---ふうん。一言で言うと、 これはどんな映画ニャの? 『エクステ』って、つけ毛のことでしょ? もしかして、これって 殺された人の毛が呪いとなって 次々と人を襲うと言う話じ ...続きを見る
ラムの大通り
2008/04/30 21:01

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文