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<<   作成日時 : 2008/02/05 16:15   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
2005年日本映画 監督・河毛俊作
ネタバレあり

1970年代〜80年代初めにかけて少年少女たちが死ぬなどして女性客の紅涙を振り絞ろうとするお涙頂戴映画がイタリア映画を中心に流行した。その中に「星になった少年」というのがあるので、慌てん坊の僕はリメイクでもされたのかと思いましたよ。
 冗談はともかく、最後に少年が死ぬのは同じで、1992年弱冠20歳にして交通事故死した象使いの日本人少年・坂本哲夢君の実話の映画化。

動物プロダクションの家に育った少年(柳楽優弥)が母親(常盤貴子)の象好きに影響され、12歳の時に象使いになるべく単身タイに勉強に赴く。帰国後日本人初の象使いとして活躍するが、夢半ばで事故死してしまう。

という大まかな経緯は実話に沿っているが、紆余曲折は映画用に劇的に変えられている。例えば、事実はTVドキュメンタリー撮影の為にタイへ行った後再びタイで修行を積んだことや、武田鉄矢主演のTVドラマはその前であること等々。

世評は悪くないが、僕は映画として良い部分をついぞ見い出せなかった。CMで流れが中断される地上波民放スタイルでは正確に実力を評価することは難しいということを勘案しても、それとは全く関連ない問題点がかなり見られる。

まず、タイの場面。
 校長や生徒たちが日本語で話すのが妙であるというのを別にしても、日本語であれシャム語であれ、日本人の彼がタイ人の間に入ってあのように最初からスムーズにコミュニケーションを取れたとは考えられない。僕はリアリティに拘らないほうだが、その辺りの苦労も含めて描かねば何が実話の映画化だということになる。その疑念が払拭できねば、終盤の事故死への暗示となる「象使いになると若死にすることになる」という偽装した白象を使った生徒の悪戯も意味を成さず、小賢しい細工にしかならない。

それに比べれば日本の場面は大分良いが、こちらは描写のバランスがまずい。
 少年の死後の描写を見る限り、少年の思いを理解できなかった母親がそれに気付き彼女にも観客にも涙を流させるお話であるが、それまでは夢を追う少年を純粋に追い続けている。つまり、半ば少年の視点で描かれた物語が突然母親の物語に早変わりするのである。母親が無理解なので彼女の視点で夢を追う少年を捉えるのが難しいという判断なら、前段においてもう少しきっちりと親子関係を客観的に描写をしておかないとバランスが取れないことになる。

そして、「誰も知らない」の演技を評価された柳楽君も演出された演技では経験不足による拙劣さを発揮してしまう。当然と言うべきで、デビュー作が良かったのは是枝裕和監督が即興演出を重視して演技らしい演技をさせなかったからである。

象の言葉が解るんだもの、シャム語なんてへいちゃら。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは♪
「誰も知らない」の柳楽君主演作ということで期待していたのですが・・・。
どうにもノリきれませんでした。
「誰も知らない」が人生最高の演技と言われないようにこれからも頑張ってほしいな〜と思います。
ミチ
URL
2008/03/21 09:00
坂本龍一の音楽でちょっと救われている感じでしたねー。柳楽君の演技力は、まーこれからって感じで見守ってあげたいです^^;)。
ぶーすか
URL
2008/03/21 10:19
ミチさん、こんばんは!

地上波のTV放映しか観ていないので、正確に判断しがたい部分もありますが、柳楽君の演技に関しては全く影響ないでしょう。^^
台詞に関してはアフレコ技術の問題もあったかもしれません。「誰も知らない」は恐らく同時録音だったので、妙な力みがなかったような気がします。「誰も知らない」の場合は<演技>ではない演技だったんですね。

いずれにしても地上波では映画の実力が把握できないことがある、ということを地で行くような作品だったと思います。
オカピー
2008/03/21 22:43
ぶーすかさん、こんばんは!

>柳楽君の演技力
溌剌とした感じは悪くなかったですが、きちんとした演技はまだまだできないといった印象があります。
オカピー
2008/03/21 22:49
TBありがとう。
僕はなんか、このお母さんが奇妙だなあと思っていて、ネットで調べてみたんですね。で、この物語は、特異な母子物語なんじゃないかと、思ってしまったわけです。
kimion20002000
URL
2008/03/28 22:50
kimion20002000さん、こんばんは!

>特異な母子物語
確かに!
しかし、少年の死に焦点を当て、そちらばかり追い続けるものだから実に歪になっていまして、どうにも感心できない作品なのでした。
仮にTV映画ならよく出来ているというレベルなんでしょうけどね。
オカピー
2008/03/29 02:19

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