プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 映画評「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」

<<   作成日時 : 2007/12/26 15:05   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 4 / コメント 6

☆☆(4点/10点満点中)
1966年日本映画 監督・田中重雄
ネタバレあり

昭和ガメラシリーズ第2作。第1作が78分と短尺だったのに対し100分と長尺になり、しかもカラー版だが、首尾は如何でしょうか。

前作でガメラを積んで火星へ向ったロケットが隕石と衝突して爆破、自由になったガメラがエネルギーを求めて黒部ダムを襲う、というプロローグの後、ニューギニアのジャングルに本郷功次郎、藤山浩二、早川雄三の三人が本郷の兄が戦時中に隠したという巨大なオパールを求めて乗り込む。

画像

ジャングルを舞台にすると邪劇になるというジンクス通りに頗る怪しい展開。それ以前にメラネシアに属する原住民の風俗がアフリカとポリネシア辺りの合体みたいないい加減さで、アメリカ映画で描かれる日本人以上に変てこである。いくら南方住民に関し未知なる部分が多かった40年前の作品とは言え、日本人も他国のことは言えないと思い知るべし。

さて、欲望の塊で低劣な藤山が探し当てたオパールを独占しようと他の二人を亡き者にして帰国の船に乗る。ところが、そのオパールと思っていたのが原住民の間に伝えられるトカゲ型怪獣バルゴンの卵だった為に船の到着した神戸を中心に関西地方に甚大な被害がもたらされる。

画像

というお話だが、題名に偽りがあってガメラは最後にしか活躍せず、題名を【人類対バルゴン】とすべき内容である。
 第一作に比べ人類の作戦(即ち脚本家・高橋二三のアイデア)が著しく進歩しているのは結構。近い物に対しては冷凍光線、遠い物に対してはレインボウ光線を繰り出して無敵と思われる一方で水に弱いことが判明したバルゴンに対し、光りものが好きな性質を利用して赤外線レーザーを照射したダイヤモンドで琵琶湖に誘き寄せたり、レインボウ光線に対して鏡を使って自滅させようとしたり、表面的にはなかなか楽しめる。

画像

表面的に終ったのは色々な欠点が目立つからである。
 実は原住民に助けられていた本郷が原住民の娘・江波杏子と日本に戻った後バルゴン撃滅の為に色々な知恵を絞り出すのだが、各分野の権威が彼に対して常に承認役に留まっているのは異様と言うしかない。
 欲望丸出しの藤山が人類が総力を結集して戦っている最中にダイヤを自分のものだと計画を邪魔するのも首を傾げる。日本人離れした風貌の藤山(下記画像)は好演だが、些か行き過ぎた展開だったように思う。

画像

仮にこれらを無視するとしても看過することのできない致命的ミスがある。前作より明らかに面白く作られているのに星を増やせないのは偏にこの為である。
 即ち、水に決定的に弱いとされたバルゴンが孵化した後海中に沈み、その直後に神戸を襲っているのは、どうしたことか。海水はOKで淡水はNGといった説明は遂ぞなかったはずで、僕の頭では全く理解できないのである。

江波杏子扮する、色白で日本語がベラベラの原住民の娘も相当変だが、第1作のアシスタントに比べれば大活躍と言えるのは宜しい。

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 6
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966)ずっと勘違いしていました。バラゴンだって....
 ガメラ映画初の対決物であり、以後はすべて対決路線が続いていきます。前回での反省を生かしてきたのか、今回は登場人物をすべて大人のみにして、子供たちを排除しました。このため、ガメラ物では唯一の大人向け作品として君臨し続ける事ができました。 ...続きを見る
良い映画を褒める会。
2007/12/27 01:21
ガメラ:「ガメラ対バルゴン」WOWOW視聴記 2007/12/27
 本項は25日付けの「感想篇 2007/12/23〜」に続き、12月24日に衛星放送WOWOWにて放映された、『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』感想Blogのまとめ記事です。 ...続きを見る
ガメラ医師のBlog
2007/12/27 18:25
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン (昭和41年・1966)
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン本郷功次郎.江波杏子.早川雄三.藤岡琢也.藤山浩二.夏木章 田中重雄 角川エンタテインメント 2007-10-26 一瞬に大阪市街を焼きつくすガメラか! ひと吹きで大阪城... ...続きを見る
Godzilla and Other A...
2007/12/27 19:32
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン 07142
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン Gamera vs. Barugon 1966年   田中重雄 監督  湯浅憲明 特撮監督本郷功次郎 江波杏子 早川雄三 藤岡琢也 夏木章 藤山浩二&nbsp; 昭和41年。東宝では、サンダ対ガイラ、エビラの年ですが、大映ではこれだけじゃなくって、... ...続きを見る
猫姫じゃ
2007/12/31 23:05

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんばんは!
この作品は昭和ガメラ・シリーズ中では唯一の大人向けですね。怪獣のデザインは気持ち悪く作られていてグロいのですが、それが大映らしさともいえます。ではまた!
用心棒
2007/12/27 01:20
用心棒さん、こんばんは。

これは惜しいなあ。
本文などで書いたように、バルゴンの致命とされている設定に映画の致命もあるとは。
脚本の高橋二三氏はこの辺りが大変そそっかしいです(次回作でも同じようなミスをしています、あさって掲載予定)。
オカピー
2007/12/27 21:02
おひさです!
今年はおサボり気味で、ごめんなさいでした。
来年もよろしくお願いしますね。
良いお年を〜!
猫姫少佐現品限り
URL
2007/12/31 23:06
猫姫さん、こんばんは。
こちらこら碌にコメントせずにすみませんです。
遅筆でコメントだけで日が暮れてしまうので、端折ってしまいました。

年が越してしまったので、本年も宜しくお願い致します。
良いお年を!
オカピー
2008/01/01 02:52
???みなさん何をおっしゃってるのか良くわからないのですが‥。
水が苦手だから、必死で流血しながら(海水が紫に染まってましたよね)
上陸したんじゃないんですか…?だから劇中でもバルゴンは雨を浴びても、動きは鈍くなるけど死んだりはしませんよね。「長時間水に漬かっていると皮膚が溶け出して失血死する」と言う風にしか解釈できませんでしたけど。
だから最後はガメラに水から這いあがれないように押さえつけられて、
ようやく止めがさせたのでは…?
(かなづちな人でも膝までしかない水で溺れたりはしないでしょう?)
むしろ私はこの部分の設定と演出、すごくリアルに感じましたが…?
怪獣生態学者
2008/03/11 12:48
怪獣生態学者さん、コメント有難うございます。

しかし、本作における構成的な欠陥は払拭出来ません。寧ろ、自信から確信に変わりました。

問題は<バルゴンが水に弱い>という設定そのものではなく(だから最後については問題ない)、その<扱い>です。

@孵化したばかり子供が弱いとされる水中から出現し、弱った部分を治す間もなく絶大な力を発揮できるのはそそっかしい。
怪獣だから他の生物とは違うのか。それなら後の展開において疑問が生じる。

A海水が紫に染まっていたか夜の場面ということもあり明確に印象に残らない。昼間であればこうした解りにくさは解消できるので、脚本がやはりそそっかしい。

Bもし@がご都合主義的に認められるのであれば、人間側もご都合主義的にその場で弱点を理解する可能性もあり得るわけで、甚大な被害が出た後に江波杏子女史にご活躍願うまでもない。

従って初登場場面の扱いさえしっかりしていれば、完成度がぐっと増した可能性がより一層確かになった、という次第。
オカピー
2008/03/11 14:37

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文