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☆☆★(5点/10点満点中) 1960年日本映画 監督・鈴木清順 ネタバレあり 鈴木清順未鑑賞作品特集の最後(第6弾)。 高校生・川地民夫が、終戦から15年間母親・奈良岡朋子が大会社の重役・芦田伸介に養ってもらっていたことを知ってぐれ、不良少女・禰津良子と付き合う。 堕胎費用の捻出に困った女子大生・中川姿子が行方をくらました彼に会わせると嘘を付いて芦田を別荘にまで連れ出し、それをまたまた誤解した少年が芦田をめちゃめちゃに殴り、盗んだ車で暴走した挙句に死んでしまう。 日活の社長が「一つ流行のヌーヴェルヴァーグ風のものを鈴木君に撮ってもらおうか」と言ったかどうか知らないが、そんな感じで適当にこしらえた小品という印象である。鈴木監督は極彩色特に赤に拘った照明やインテリアで個性を出したり、あるいは移動撮影で魅せる、基本的には様式美の人なので、手持ちカメラを使った即興的演出は畑違いの感が強い。 それ以上に脚本が弱い。コンパクトなのは良いが、母親が妾であるという事実に青臭い高校生が一人で大騒ぎして勝手に死んでしまう印象がある。 幕切れで三流紙の記者・穂積隆信が「現在では人間の間に善意が通じる場所がない。すべてが狂ってる」と洒落たことを言うが、主人公の言動では記者の言葉に一般の観客はまるで共感できない。世代の普遍的な絶望と怒りを感じさせるのがこの類の作品の役目だろうから、これでは困るのだ。 日活にはフランスより先にヌーヴェルヴァーグ的作品を作った優秀な同僚(古川卓巳、中平康)がいたのだが、鈴木ヌーヴェルヴァーグは【仏作って魂入れず】の感ありで、同じ年に作られた吉田喜重の「ろくでなし」には及ばない。 川地民夫が先輩の長門裕之の従弟のように見えます。 |
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