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zoom RSS 映画評「エミリー・ローズ」

<<   作成日時 : 2007/04/25 15:56   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2005年アメリカ映画 監督スコット・デリクスン
ネタバレあり

僕が映画を観る前に得る情報は基本的に監督の名前だけである。出演者もチェックしないことが多いが、この作品は観る前にオカルトではないかと思い込んでしまった。何故なら30年前に「オードリー・ローズ」というオカルトと裁判劇を併せたような作品があったからだが、果たして裁判劇とオカルトが一体となったドラマでありました。あな不思議!

19才の女子学生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)が薬による治療を止め、教区の神父(トム・ウィルキンスン)の悪魔祓いの末に、死んでしまう。儀式を行った神父について過失致死に当たるか否かを巡って裁判になり、出世を狙う女性弁護士エリン(ローラ・リニー)が被告の弁護に立つ。

実話を基にした物語で、科学の粋を極めるはずの現代の裁判において悪魔憑きや悪魔祓いという超常現象を取り扱うのが文学的な興味ではあるが、裁判を通して悪魔憑きを再現するというのも商業映画的な狙いの一つではある。しかし、エミリーに起きる現象は34年前の傑作「エクソシスト」と大差がなくて、オールド・ファンには新味がない。

<薬を止めたことが死の原因>とする原告側と<薬こそが死の原因>とする被告側が、夫々精神医学者や超常現象研究家などを証人として駆り出す、といった具合に裁判劇としてのほうが断然面白いものの、途中で弁護士が怪奇現象に遭遇したり、証人の交通事故死の扱いなどオカルトも両立するように工夫した努力は認めたい。

弁護士は超常現象の証明という苦しい立場を逆手にとって曖昧戦術を展開、さて首尾は如何でありましょうか。結果は観てのお楽しみだが、敬虔なメソジスト派信者である検事が断固神父を糾弾する姿に西洋人の宗教心における矛盾を感じてしまう。作者の考えはいざ知らず、その辺りを考えながら観ると、構図としては見え見えの物語も相当楽しめる。

オードリーが エミリーになって 蘇り(「オードリー・ローズ」は輪廻をテーマにした作品だったので)

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エミリー・ローズ 06年59本目
エミリー・ローズ オカルトホラーか、法廷劇か、、、「十二人の怒れる男 」 か、「エクソシスト 」 か、、、古い?? ストーリーとしては、映画の最後に書かれているように、エクソシズム、悪魔払い のお話なんだケド、映画としては、ローラ・リニー の最終弁論や、陪審員.... ...続きを見る
猫姫じゃ
2007/04/25 17:13
エミリー・ローズ
  ...続きを見る
あきすとぜねこ
2007/04/25 21:06
エミリー・ローズ
 『エクソシスト』では首が回るシーンが有名だが、この映画ではまるで中国雑技団によるイナバウアーのような決めポーズが印象に残る。 ...続きを見る
ネタバレ映画館
2007/04/26 00:03
★「エミリー・ローズ」
これはホラーではなく実話です・・・らしい。 あまり興味ないジャンルだけど、ヒマヒマしてたのでついでに観ちゃった。 ...続きを見る
ひらりん的映画ブログ
2007/04/26 00:50
『エミリー・ローズ』
----「この映画はホラーではない。実話である」…… これどういうこと?ホラーじゃニャいの? 「うん。ぼくも以前、だれかにそう言ったら、 『いや、宗教をめぐる法廷サスペンスです』と返されて 『えっ?』と思ったことがある。 そのため、これはキツい映画かな、と思って身構えていたんだけど…。 やはりオカルト・ホラーでもあったね。 原題も『THE EXORCIZM OF EMILY ROSE』だし、 テーマは深遠でも、キリスト教に縁遠い我々から見ると ホラーに映るのは仕方ないかもね」 ----そのタイト... ...続きを見る
ラムの大通り
2007/04/26 01:05
映画『エミリー・ローズ』
原題:The Exorcism of Emily Rose 「恐れおののいて自分の救いを達成するように努めなさい」・・1976年の旧西ドイツ時代に実際に起こった「悪魔祓い事件」の裁判を基にしたホラー的法廷劇・・・ ...続きを見る
茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行...
2007/04/26 03:16
エミリー・ローズ
アンネリーゼ・ミヒェルは 1952年 9月21日 旧西ドイツ・バイエルン州の人口 約4千人ほどの町レイブルフィングで 生まれ、マイン河流域に位置する クリンゲンベリで育った。 父親ヨーゼフは製材業。 母アンナと3人の妹と共に 敬虔なカトリック信者であった。 アン.... ...続きを見る
映画と暮らす、日々に暮らす。
2007/05/03 08:09
エミリー・ローズ #847
2005年 アメリカ 120分 この映画の元になった実話は70年代に起きている。当時「エクソシスト」などのオカルト映画も流行してて、私も子ども心に悪魔はいるものだと思って生きてきた。そして現在、やはり今でも霊や悪魔は存在すると思ってはいるものの、自分以外の誰かに霊が.. ...続きを見る
映画のせかい2
2007/05/08 05:41
『エミリー・ローズ』 ('07初鑑賞45・WOWOW)
☆☆☆☆− (5段階評価で 4) 4月29日(日・祝) WOWOWのハイビジョン放送を録画で鑑賞。{%cross%} ...続きを見る
みはいる・BのB
2007/05/09 01:20
エミリー・ローズ
{{{<THE EXORCISM OF EMILY ROSE>}}} [[attached(1,left)]] 実話を元に製作されたっというのを 小耳に挟んではおりましたけど、 まさかの法廷映画だとは驚愕でありました?!  てっきり、&#39;&#39;&#39;『エクソシスト』&#39;&#39;&#39;のリメイクみたいな ものかと勘違いしておりやした。 ...続きを見る
入ル人ラ
2007/05/13 00:19
<エミリー・ローズ> 
2005年 アメリカ 120分 原題 The Exorcism of Emily Rose 監督 スコット・デリクソン 脚本 ポール・ハリス・ボードマン  スコット・デリクソン 撮影 トム・スターン 音楽 クリストファー・ヤング 出演 エリン・ブルナー:ローラ・リニー    ムーア神父:トム・ウィルキンソン    イーサン・トマス検事:キャンベル・スコット    エミリー・ローズ:ジェニファー・カーペンター    カール・ガンダーソン:コルム・フィオーレ    ジェイ... ...続きを見る
楽蜻庵別館
2007/05/23 15:06
ローラ・リニー&トム・ウィルキンソン「エミリー・ローズ」
「エミリー・ローズ」ホラー・ドラマ 120分 2006 アメリカ ...続きを見る
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2007/05/23 15:28
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2007/09/23 16:06
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  エミリー・ローズ・・・評価 3 ...続きを見る
三日月のしっぽ。
2007/10/04 22:42
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エミリー・ローズ [ノーカット版] [DVD] ...続きを見る
むーびーふぁんたすてぃっく
2010/04/25 05:15
[映画]エミリー・ローズ
2005年アメリカ映画 原題:The Exorcism of Emily Rose 監督:スコット・デリクソン 脚本:スコット・デリクソン、ポール・ハリス・ボードマン 出演:ローラ・リニー、トム・ウィルキンソン、ジェニファー・カーペンター DVDで鑑賞。 悪魔祓いの儀式を受けた少女が死亡し、 ...続きを見る
一人でお茶を
2015/07/20 22:52

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
プロフェッサー様、こんにちは。本作は予告編でオカルトか!と思い観なかったのですが、Vivajijiさんのブログで「!」と思ってレンタルしました。法廷ものとして非常に面白かった。予告編の編集考えて欲しい…の気持ちです。作品への冒涜ですよ(笑)(追伸)バベル観ましたよ。プロフェッサーさんの映画評読みたいです。早く映画観に行ってくださいね(観る予定でなかったらごめんなさい)
シュエット
2007/05/01 11:14
シュエットさん、こんばんは。

裁判劇の面白さは、検事と被告弁護人の丁々発止のやり取りにありますが、証人の顔ぶれを含めて十分合格点を与えられる出来栄えでしたね。被告弁護人であるヒロインの曖昧作戦も説得力がありました。それが科学VS宗教の図が加わり見ごたえありましたね。

>「バベル」
その様子ではお気に入りのご様子(笑)。
今日の新聞でディスコか何かの場面で気持悪くなった人が数名出たとか。私も最近映像酔いする人間になってしまったので、怖いなあ。
山奥なので遠出も厳しいのですが、20kmも車を飛ばすとやっている映画館がありました。後は時間の調整です。
オカピー
2007/05/01 19:02
“単にオカルトとして売ればヒットするだろう”的
予告編で“純粋にオカルト”で楽しみたかった観客には
きっとご不満映画だったでしょうに。(笑)
↑のシュエットさんはまっことその逆のケースですわね。
本作の監督さんは未知の方でしたがじっくりした語り口に
私は好感を持ちました。
ま、実話の重みも加味されてございますけどね。

法律の勉強は大キライでしたが(笑)、こと法廷劇には
目がない私には題材的にとても興味シンシンで
観させていただきました。
TBお持ちしました。
viva jiji
2007/05/03 08:18
viva jijiさん

映画館に行かないと予告編を観ずに済むというメリット(笑)がありますが、いずれにしても私はジャンルで映画を観ないからそういう意味での<期待外れ>ということはないですね。

>じっくりした語り口
正に仰る通りでして、オカルト場面もことさら強調することはなかったですね。法廷劇らしい正攻法のタッチには私も好感を覚えました。

>法廷劇
本文に書いた通り、近代裁判だけに科学VS宗教という図式になっていて、そこが面白いわけですね。その意味では、哲学(科学)VS神学(宗教)をテーマにした「薔薇の名前」とオーヴァーラップするところもありました。

因みに、大学時代、自力で民法は優を取りました(笑)。
オカピー
2007/05/03 16:56
この映画は、悪魔憑きという現象が少女の妄想なのかもしれないという風に描かれていましたね。貧しい家庭から少女が大学へ進学するというのに、それを知らされた母親はうれしそうではない。自分たちの世界から離れていくのをよろこんでいない。少女はそのことに気が付いていて、だから、感じなくてもいい筈の罪悪感に苦しめられるようになる。信仰深い人たちだからそれを悪魔憑きと見る。そういう風にもとれるのですが、一方でやはり人間には不可知の領域がありますから、神の存在を否定することはできないというのも出てくる。知の面で謙虚さを失ってはならないというのも人としては大事なことでしょう。
とても味わい深い作品だったと記憶しています。
nessko
2015/07/20 23:01
nesskoさん、こんにちは。

大分前に観たので、かなり忘却しておりますが、裁判映画として面白く観ました。

西洋哲学は、神学と対立するように日本人は思っていますが、カントに至るまでやはり時間・空間・人間の存在自体を神と関連付けているように、神学と哲学とはそれほど明確に区別できないわけですよね。

仏教徒ということになっている僕などは、「神は自らの姿に似せて人を作った」というキリスト教の観念に触れると、「逆だろう」と思ってしまいます。神があるにしてもそういう具体的に姿を想像できないですね。

ジョン・レノンの「神は人の痛みを測る概念である」というフレーズは、この作品を見ても、納得させるものがあります。
オカピー
2015/07/21 22:19

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