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zoom RSS 映画評「蝉しぐれ」

<<   作成日時 : 2006/09/22 13:37   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2005年日本映画 監督・黒土三男
ネタバレあり

読書はそれなりにしているが、時代小説は余り読まず、本作の原作者・藤沢周平も名前を知るのみ。勿論、原作を読んでいないことは映画を観る上では先入観も余分な知識もなく好都合なことが多い。

東北地方の小さな海坂藩の下級武士・牧助左衛門(緒形拳)が主君の世継ぎ問題に巻き込まれ、たまたま負けた側についただけの理由で謀反人の汚名を着て処刑される。
 数年後、義理の息子・文四郎(市川染五郎)は復権して村廻りの役を仰せつかるが、命じた筆頭家老・里村左内(加藤武)こそ父の処分を決めた男と知る。
 そして彼は主君の妾おふく様の息子を奪うよう家老の命を受け父親同様お家騒動に巻き込まれるのだが、その際に少年時代淡い恋を抱き合った近所の娘おふく(木村佳乃)と再会するのであった。

2003年にTVミニシリーズ用にも脚本を書いた黒土三男が再び脚本を書いてメガフォンまで取っているが、監督は止めておいたほうが無難だったのではないかと思う。
 同じく藤沢作品を映像化した山田洋次の「たそがれ清兵衛」の巧さに比べるまでもなく、編集に難あり、即ち、ショットの構成がまずく場面の繋ぎにぎこちないところが少なくないのである。
 さらに戴けないのがわび・さびとは程遠い過剰な演出で、少年時代に割腹した父を運ぶ主人公をおふくが手伝う場面や終盤敵側から逃げる場面で友人(今田耕司)が協力する場面など、もう少しあっさり処理した方が床しさがあり余韻も醸成できたであろう。
 思い余って勇み足気味、良い物語だけに勿体ない。

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映画『蝉しぐれ』
冬から夏、春から秋へと、季節は走馬燈のようにめまぐるしく巡る。切なく悲しくやるせない思いと共に引き裂かれた恋・・そして無情に飛び散る血しぶき・・ ...続きを見る
茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行...
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監督・脚本 : 黒土三男主演 : 市川染五郎/木村佳乃/緒形拳/      /原田美枝子/大滝秀次/石田卓也公式HP:http://www.semishigure.jp/ 原作 「 蝉しぐれ 」  藤沢周平著 (文藝春秋刊) Story : 東北小藩の下級武士である養父・牧助左衛門(緒形拳)... ...続きを見る
MoonDreamWorks
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★☆カゴメのシネマ洞☆★
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<蝉しぐれ> 
2005年 日本 132分 監督 黒土三男 脚本 黒土三男 撮影 釘宮慎治 音楽 岩代太郎 出演 牧文四郎:市川染五郎(7代目)    ふく:木村佳乃    牧助左衛門:緒形拳    里村左内:加藤武    小和田逸平:ふかわりょう    島崎与之助:今田耕司    文四郎(子供時代):石田卓也    ふく(子供時代):佐津川愛美 ...続きを見る
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 今回で最後。『蝉しぐれ』である。 ...続きを見る
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藤沢周平 原作「蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛」
●蝉しぐれ ★★★ 【地上波】藤沢周平の『蝉しぐれ』をNHKドラマ「蝉しぐれ」でも脚本を手がけた「渋滞」の黒土三男が監督。おふく救出劇はまだ人を斬った事がないという設定がリアルな殺陣でなかなか良かったが、ふかわりょう、今田耕司のキャスティングに少々不満が残る。 ●たそがれ清兵衛 ★★★★★ 【地上波】「男はつらいよ」の山田洋次監督が藤沢周平の原作を映画化。不器用だけど隠れた剣豪を真田広之が演じている。見た目は恰好悪いんだけど、格好いいんだなぁ。清兵衛を慕う美しい朋江を宮沢りえがしっとりと演... ...続きを見る
ぶーすかヘッドルーム・ブログ版
2007/08/30 12:51

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コメント(6件)

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オカピーさん、TB、感謝です♪

>編集に難あり、即ち、ショットの構成がまずく場面の繋ぎにぎこちないところが少なくないのである。

原作も相当細やかで濃密な作品ですが、
この映画は、黒土三男さの独自の解釈も加わって、
とても2時間では消化し切れない内容になっているように思えます。
キャスティングにもいささか難があるような。
原作のファンにとってはとても惜しい作品であります…。
(山田監督作品の様に、映画としての出来が良ければ文句も出ないのですが…)
カゴメ
2006/09/25 10:37
カゴメさん、こんばんは。
私は原作とのギャップや先入観が嫌で、映画になりそうな新しい作品は読まないようにしているんです。古典は読みますけどね。
その意味で少年時代の耽溺した「ルパン」は観たくないですし、観る前から役者に失格の烙印を推しているんです(笑)。

>キャスティング
できれば演技力のある舞台俳優を起用したいところですが、集客力に問題で変てこなのが多いですね。演技力以前にイメージがありすぎますのでね。お笑いの二人もそうですが、木村佳乃も余りピンと来なかったなあ。

仰るように、山田洋次は上手いです。
オカピー
2006/09/26 01:49
キャスティングの不満は私も同意権です。NHKドラマがなかなか良かったのに、それを超えてなかったのが残念。それに比べて山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」は人情あふれていて良かったです。しかし市川染五郎で集客を望むってのもなんだかズレているような…。
ぶーすか
2007/08/31 10:38
ぶーすかさん、TBとコメント有難うございます。

連続ドラマは観ていないので比較はできませんが、脚本家上がりの演出家によくある、場面が必要以上に長くなる傾向が気になりました。
山田洋次を持ち出すまでもなく、場面の繋ぎもいま一つ。
物語は悪くないですね。
オカピー
2007/08/31 23:43
今晩は、オカピーさん。一つ感心したのは屋敷中の刀を集め畳に刺してボロボロになったらとっかえひっかえの。以前、何かにもあったような。それを入れると本邦二作目、えらい(笑)。

オンリー・ザ・ロンリー
2008/07/24 21:09
オンリー・ザ・ロンリーさん、こんばんは!

刀は数人も斬ればもはや役に立たないらしく、類似アイデアはもっとあっても良いはずですけどね。案外盲点なんだな。
しかし、原作の殊勲かもですね。^^
オカピー
2008/07/25 01:36

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