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☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1961年アメリカ映画 監督ウィリアム・ワイラー ネタバレあり リリアン・ヘルマンの原作「子供たちの時間」は、1936年にウィリアム・ワイラーにより「この三人」として映画化されたが、ワイラー自身がセルフ・リメイクしたのが本作である。 大学の同窓生だった女性二人マーサ(シャーリー・マクレーン)とカレン(オードリー・ヘプバーン)が寄宿生女学校を始め軌道に乗るが、カレンが医師ジョー(ジェームズー・ガーナー)と結婚することにマーサが嫉妬、それが女優だった叔母モーター夫人(ミリアム・ホプキンズ)が感付いて「不自然」と言ったことが、邪悪な少女メアリー(カレン・バーキン)に悪用されてその祖母で地域の名士ティルフォード夫人(フェイ・べインター)を通じて地域に広まり、学校は事実上の閉鎖、マーサは縊死してしまう。 ワイラーは僕が最も尊敬する監督の一人で、この作品でも、メアリーが拾った花をモーター夫人に進呈する一連の暗示的な場面、右に少女の顔を大きく捉え左に問題となるマーサの部屋から出て来るカレンを捉えるショット、終盤カレンがマーサがいないことに気付いて走り出す場面、こじ開けようとしているドアにマーサが首をつった縄が映るショットなど、誠に巧い。 内容も激しく心を揺り動かすものがある。が、傑作「この三人」を観た僕は、物語に現代性をもたらそうとアレンジした点に不満を覚えてしまうのだ。 「この三人」では映画倫理が厳しかった時代故に二人は同性愛疑惑ではなく三角関係疑惑で破滅するのだが、ともかく恐るべき子供(本作のメアリーも相当なものだがオリジナルの恐さはさらに上回る)という主題を貫徹できたのに対し、本作ではテーマが複合的(同性愛そのものに対する思弁、同性間の友情の問題など)になっている。 そこに混沌とした現代性があるわけだが、見終わった時テーマが拡散してやや曖昧な印象が残ってしまう。そうやって詰めていくと、マーサがカレンに対する自分の気持ちに気付いたと告白する場面など、終盤は若干説明過多の感がなきにしもあらず。 この場面に絡んで少し英語の勉強。 英語では、"I love you."のloveと"I'm in love with you."のloveでは全く意味が違うことがある。マーサはカレンに対して最初の感情を抱いていると思っていたのに、子供のでまかせから実は後者であったと気付く。 最初のloveは包括的に「強い好意」を含む愛情一般を示し、後者の場合は通常愛欲の「愛」に限定される。従って、父親が"I love you."と娘に話し掛ける時、翻訳者が「愛している」と訳すのは僕の考えでは適当ではない。洋画の字幕を見ていつも気になるのがこの辺りだ。 閑話休題。 厳密な意味で唯一の被害者カレンは葬儀に駆け付けた人々の間を凛として通り抜ける。マーサの死により彼女は吹っ切れ強く生きていくことが決意できたようである。 この時のオードリーの表情が実に素晴らしく、中後半ほんの僅かに緩んだ映画を再び締めて幕切れ。 憎らしいモーター夫人を演じたミリアム・ホプキンズはオリジナルではマーサを演じていた。ワイラーの配慮だろうか。 |
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「緑の館」「噂の二人」
●緑の館 ★ 【NHKBS】オードリー・へプバーン、アンソニー・パーキンス出演、オードリーの夫メル・ファーラー監督の南米のジャングルを舞台にしたロマンス。早川雪洲も出演しているが原住民の族長役でなんかとほほ。 ●噂の二人 ★★★★ 【NHKBS】「ローマの休日」でお馴染みのウィリアム・ワイラー監督。タイトルでコメディーかと思ったら、一人の問題児の発言で人生を奪われる女性教師二人の悲劇を描いた作品だった。オードリー・ヘプバーン、シャーリー・マクレーン、ジェームズ・ガーナーの共演が見もの。 ... ...続きを見る |
ぶーすかヘッドルーム・ブログ版 2006/09/16 21:42 |
「噂の二人」
日本橋図書館で、水野晴郎さんの解説つきで鑑賞。そのとき書いた記事はこちら。 ...続きを見る |
或る日の出来事 2007/03/20 23:58 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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TB&コメント有難うございます。 |
ぶーすか 2006/09/16 21:50 |
ぶーすかさん、おやすみなさい(笑)。 |
オカピー 2006/09/17 03:53 |
ワイラー監督は私も好きです。実力派というか正統派というか。いろんな映画を作るのは職人的でもありますね。 |
ボー・BJ・ジングルズ 2007/03/21 21:23 |
ボー・BJ・ジングルズさん、こんばんは。 |
オカピー 2007/03/22 02:11 |
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