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<<   作成日時 : 2006/05/07 12:59   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1947年アメリカ映画 監督アルフレッド・ヒッチコック
ネタバレあり

アルフレッド・ヒッチコック第33作。

盲目の夫を殺した罪で逮捕された妻パラダイン夫人(アリダ・ヴァリ)の弁護を青年弁護士(グレゴリー・ペック)が行うことになり、その美しさによろめいて彼女の無実で信じ込む。が、召使だけが残った屋敷へ赴いた時に馬丁(ルイ・ジュールダン)と彼女が深い仲にあったことを知って取った方針が彼自身を致命的な立場に追い込んでしまう。

ワンマン・プロデューサー、デーヴィッド・O・セルズニックとヒッチコックの付き合いは結局3作に留まったが、これをもって悪夢の終りということになる。しかし、出来栄えはこれが一番悪い。
 ヒッチコックと優秀な脚本家であった夫人アルマ・レヴィルが当初ロバート・ヒチェッスの小説を潤色したが、その後紆余曲折を経てセルズニックが脚本にした。基本的にはこれが映画的に見どころのない作品となった直接的原因だろう。

ヒッチコックの言葉を借りれば、<紳士たる弁護士が色情狂的な女にほだされて堕落する物語>なのだが、見終わった後そんな印象が殆ど残らない。
 その原因はセルズニックの為したミスキャスト。アリダ・ヴァリには色情狂的な印象はなく、ジュールダンに至ってはどこぞの坊ちゃん風情で馬丁には程遠い。ペックは紳士的ではあるが、アメリカ的すぎて英国上流階級のムードがない。
 好色な裁判長チャールズ・ロートンやペックの妻アン・トッド、顧問弁護士親娘などが絡むディテールに面白い箇所はあるが、全体の評価を上げるほどではない。

ヒッチ自ら認めるように凡作であるが、印象に残るカメラワークが一つある。裁判で夫人の後ろで馬丁が証言の為に入って来るのが見えるカットで、二人が運命共同体であることを物語る。実はここはヒッチコックが最も腐心したカットということであった。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
『パラダイン夫人の恋』(1947)名作になり損ねた作品。演出には光るものあり。
 ヒッチコック監督、通算33作目に当たる『パラダイン夫人の恋』は1947年度製作の作品です。主演にグレゴリー・ベック、共演のパラダイン夫人役にはアリダ・ヴァリ、ベックの妻役にはアン・トッドを起用しています。 ...続きを見る
良い映画を褒める会。
2006/05/07 23:16
パラダイン夫人の恋
ヒッチコック作品は好き嫌いが激しいので けっこう見逃しているのが多い。 これも、そう。 彼の作品中でも かなり評価は低いと聞いた。 わかるんだわ。 その“評価、低い”とおっしゃる方々の見方。 ホレ、また、始まった!(笑) ...続きを見る
映画と暮らす、日々に暮らす。
2006/05/08 19:00
「パラダイン夫人の恋」ヒッチコックとランプシェード
 「パラダイン夫人の恋」について。  弁護士キーン(グレゴリー・ペック)が、夜突然やってきたラトゥール(ルイ・ジュールダン)と対峙するシーンで、ランプシェードがナメものとして使用されていて、これが実に印象深& ...続きを見る
撮影監督の映画批評(たまに写真や撮影のT...
2006/08/12 17:39
「パラダイン夫人の恋」
THE PARADINE CASE 1947年/アメリカ/115分監督: アルフレッド・ヒッチコック 原作: ロバート・ヒッチェンス 脚本: デヴィッド・O・セルズニック/ジェームズ・ブリディ 撮影: リー・ガームス 音楽: フランツ・ワックスマン 出演: グレゴリー・ペック/アリダ・ヴァリ/アン・トッド/ルイ・ジュールダン/チャールズ・ロートン/チャールズ・コバーン ...続きを見る
寄り道カフェ
2010/10/01 10:15

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
 オカピーさん、こんばんは。50本を超える作品の中には、どうしてもあまり質の良くない作品も混じっているのは仕方のないことです。
 ただヒッチ先生の場合には、クズ含有率が作品数から見れば、かなり少ないのが素晴らしいと思います。またプロデューサーから干渉されたり、キャスティング面で不満があった場合、つまりヒッチの思惑から外れた作品は大概あまり芳しくない出来になっていますね。
 彼がやりたいようにやって大コケしたのは『山羊座のもとで』くらいじゃないでしょうか。『ハリーの災難』も興行的には失敗ですが、作品の質は優れているので失敗作とは思っていません。
 この作品もヒッチらしい個性的な部分はあるのですが、全体としてみた場合、素晴らしい作品とは言えませんね。ではまた。
用心棒
2006/05/07 23:53
 用心棒さん、こんにちは。
 そうですね、基本的に強制された映画は駄目ですね。駄目でも実は結構良かったりするのがヒッチコックですが。その中で確かに「山羊座のもとで」は内野フライといった感じでした。
 映像的に僅かに見ごたえがある程度でしたね。用心棒さんの記事を拝読しましたが、さすがによくチェックされていると思いました。
オカピー
2006/05/08 14:05
<紳士たる弁護士が色情狂的な女にほだされて堕落する物語>に観えましたが・・・私は〜(笑)
お言葉に甘えましてTBさせて頂きましたがまだ反映されていないようですね。
セルズニックとヒッチコックの会話はまったく私の“妄想”ですがオカピーさんの記事によれば、まんざら、あり得ない話でもなかったみたいですね。(笑)ところでオカピーさんのおすすめのヒッチ先生作品をいくつか、お教え願いたいのですが、いかがでしょう?
viva jiji
2006/05/08 19:10
viva jijiさん、こんばんは。
アリダ・ヴァリは淫蕩さ、ジュールダンは下品さ、ペックは英国上流階級らしさが出ていないので、お話としてはそう理解できても、全然それらしくなかったです。この三人を何とかすれば二段階くらいランクが上がったのでは?
「情婦」がお好きですか。ビリー・ワイルダーは好きな監督ですが、その中でも抜群の一編ですよね。
オカピー
2006/05/09 00:30
やっぱりこれは脚本そのものもまずかったんでしょうかネェ。
監督の手腕、演出もあるでしょうけど、生かすも殺すも脚本、キャスティング大事ってつくづく思った。
ヒッチコック作品って私の中では、傑作!って思うのと、別に〜って思う落差が激しいわぁ。
お話からしたらワイルダーの「情婦」と同じくらいに面白くなれる要素があると思うのに残念。
目下ミステリーチャンネル放映の、ヒッチコック自らがパーソナリティをつとめたTV番組「ヒッチコック劇場」を楽しんでます。先日もお若いときのジーナ・ローランズが出ていて、こんなのも楽しい。子供の頃のお気に入り番組。番組タイトルはヒッチコック・アワーだったかな?忘れたけど、P様も観てらしたんではありません。そうそうこの語り、このユーモア、この皮肉って彼の語りも楽しんでます。
シュエット
2010/10/01 10:14
シュエットさん、こんばんは。

当時はスターシステムだったので、色々と弊害があったんですよね。
ヒッチコックは本作に限らず色々と不満を覚えつつ作品を作っていたことが「映画術」からは伺えます。

これが監督などに有無を言わせぬセルズニックがスーパーバイズする作品でなかったら、ヒッチコック自身が脚本を手直ししながら作ってもう少し面白い作品になっと思いますけどね、セルズニックではどうにもならない。ヒッチコックでつまらない作品は全部押し付け仕事ばかりですね。

>「ヒッチコック劇場」
子供の時代ではなく、1980年頃の再放送で見ました。
ヒッチコックの一人コントが面白いんですよね。
双葉師匠は「サイコ」本編よりヒッチコックが自ら紹介する「サイコ」の予告の方が面白いと仰っていましたっけ。
オカピー
2010/10/02 01:06

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