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zoom RSS 映画評「イザベル・アジャーニの惑い」

<<   作成日時 : 2006/03/27 13:02   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2002年フランス映画 監督ブノワ・ジャコ
ネタバレあり

邦題では全く解らないが、フランス文学愛好者には避けて通れない19世紀初めの作家ベンジャミン・コンスタンの恋愛心理小説「アドルフ」の映画化である。

才能溢れる美男子アドルフ(スタニスラス・メラール)は、伯爵に囲われている没落貴族の娘エレノール(イザベル・アジャーニ)に傍惚れして彼女をよろめかせるが、いざ彼女が伯爵と子供を捨て自分の許に走ると煩わしく感じる。それを知った彼女は思い悩んで病み遂には亡くなるが、彼の取り戻した自由は目的も意味もないものに過ぎない。

僕の記憶する限り、政治家でもあったコンスタンの自伝とも言われている原作と殆ど同じではないかという気がする。先日観た「トスカ」のブノワ・ジャコ監督は原作に忠実に映像化しようとしたに違いない。
 その為全編ロケを敢行、風景の中に人物を溶け込ませて心理を浮かび上がらせているが、心理小説の主題をそのまま映画に移そうと思えばナレーション(本作の場合はモノローグ)を使わざるを得ない。映画は出来れば文学的手法に頼らない方が良いわけだが、勿論主題展開によっては一向に差し支えないと考える。
 この作品においては四季の変化なども折り込んでいるので映像の魅力があり、文芸ムードも満点、映画的に工夫の足りないせいでまだるっこくなった点もさして気にならない。それでも原作のほうが圧倒的に面白く感じるのは、想像する余地の多い文学と映像で見せる為に想像する余地の少ない映画の特性の違いによるものだろう。

イザベル・アジャーニは47歳にもなっているのにまだ儚げな美しさがあってエレノールに誠にふさわしい。スタニスラス・メラールの線の細い病的な容貌もエゴイスティックなアドルフのイメージに適う。

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「特攻大作戦」「イザベル・アジャーニの 惑い」など
●エル・シド…………………………★★ ●イザベル・アジャーニの 惑い…★★ ●幌馬車(1923)………………★★★ ●特攻大作戦…………………………★★★★ テレビ放送で見た上記の作品の感想をそれぞれのリンクにUPしました。よろしければ御覧下さい。 「エル・シド」、ホドロスキーの「エル・シド」と間違って劇場でも観ました。これはチャルトン・ヘストン主演の歴史スペクタクル巨編。 「イザベル・アジャーニの 惑い」48歳とは思えないイザベル・アジャーニが美しい! 「幌馬車」無声映画だけど、... ...続きを見る
ぶーすかヘッドルーム・ブログ版
2006/03/28 16:40
イザベル・アジャーニ
イザベル・アジャーニ ...続きを見る
アイドル芸能Shop
2006/05/12 03:48
「イザベル・アジャーニの惑い」〜アジャーニが惑うのはほんの一瞬だけ
この作品、原題はadolfeでコンスタンの原作の題名のまま。日本題名は「イザベル・アジャーニの惑い」。原作の題名の「アドルフ」では日本ではなんのことかわからないし(私も映画みるまで知りませんでした)、「惑い」だけよりはイザベル・アジャーニを ...続きを見る
cinema for warm hear...
2007/05/08 20:49

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。先日、テレビで私も「イザベル・アジャーニの惑い」をみましたのでTBさせて下さい。コメント拝見して「トスカ」録画したきり、未見ですが見なくては!と思いました。
ぶーすか
2006/03/28 16:44
ぶーすかさん、こんばんは。
私もBS鑑賞派。別館(ブログ)とは別に本館でもちらほら映画について書いております。こちらは一ヶ月分をまとめてUPしております。
「トスカ」は一般映画の感覚で観ないことをお奨め致します。
オカピー
2006/03/29 01:38
TB返し、ありがとうございます。本館の方もまだ少しですが、拝見しました。さすが、すごい量の映画を御覧になってますね。膨大な量なのでこれから少しづつ拝見させて頂きたいと思います。どうぞこれからも御教授下さい!!
ぶーすか
2006/03/29 07:40
ぶーすかさん、こんにちは。
亀の甲より年の功、というべきところもあると思いますので、楽しく話して行きたいですね。私のほうもご贔屓にさせて戴きます。
ぶーすかさんも凄い量をご覧になっていますね。
オカピー
2006/03/29 16:24
トラックバックさせていただきました。
アジャーニはほんと、異常と正常の紙一重の狭間を上手に演じています。
それに、真っ白な雪の風景がとってもきれいで印象的でした。
ひよりん
2007/05/08 20:55
ひよりんさん、TB&コメント有難うございました。

そう、イザベル・アジャーニが出世作「アデルの恋の物語」にも通じる激情を示しまして素晴らしかったですね。
「アデル」は御覧になっていらっしゃいますか。
未見でしたらお奨めです。

割合気に入った作品ですが、どうしても古典の場合は原作のイメージが強くていけません(笑)。評価が厳しくなってしまいます。
オカピー
2007/05/09 03:09

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