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<<   作成日時 : 2005/12/04 17:14   >>

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☆☆☆☆☆(10点/10点満点中)
1937年日本映画 監督・小津安二郎
ネタバレあり
 
戦後の小津安二郎には本格的な喜劇作家のイメージは希薄だが、戦前には多様な喜劇をものしており、これはその中でソフィスティケーテッド・コメディーと言われるもの。そもそもこの類のコメディーはなかなか邦画では観られないのだが、話術の見事さに「これぞ映画」と思わず膝を叩いた。小津の作品でもこんな感触は滅多に味わえないものである。
 
前半は子供たちが活躍するなど呑気なお笑いだが、後半いよいよ本領を発揮する。

恐妻家の大学教授(斎藤達雄)が細君(栗島すみ子)に遠方へゴルフへ行くと嘘を付いて大阪から泊まりで遊びに来ていた姪(桑野通子)と夜の街に繰り出す。が、予め用意して投函した手紙と当日の天気が全く食い違う為に細君にばれ、余りにヒステリーになった細君に平手を食らわせたものの、直後に平身低頭して謝る。これにはモダンガールを気取る姪もがっかりだが、平然と教授は言う、「奥方には花を持たせるものだ。それで良い」。実は体の良い言い訳に過ぎないのだが、姪も納得してしまう。

戦前の日本と言えば亭主関白のイメージがあるが全てがそうだったわけではないということが分り面白い。また、モダンガールと言っても優しいだけの男には抵抗があるようだ。一方、細君は井戸端会議で「旦那に叩かれたのよ」と実に嬉しそうに話す。この三者の描写が実に繊細で興味深く、小津の人間観察の鋭さに感心しないではいられない。
 
そして幕切れ。騒動が一段落した翌晩、夫君に男らしさを発見した細君が色っぽい目つきでそこはかとなく迫る。細君が居間を去ると、教授は廊下の電灯を消し自室へと消えていく。
 夫婦間のあうんの呼吸を見事に描いたこの幕切れは、随所に上手さが見られる本作の中でも白眉ではないかと思う。観終わって「(本場ハリウッドの大御所)エルンスト・ルビッチみたいだなぁ」と感心しきりであった。後で確認したところ小津はルビッチのファンだったということである。

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トラックバックしました。
オカピーさんの驚異的な更新速度にはびっくりです。
いったいどんなふうに更新してるんですか?
なにか裏技でもあるんでしょうか(^^)
カカト
2005/12/24 14:44
カカトさん、こんばんは。
いえいえ、映画評がパソコンにたまっていて(2000本くらい)比較的新しいのを放出しているだけです。ノートやワープロ時代のものも6000本くらいありますので、必要に応じて出そうかなと思いますが、昔のものはかなりレベルが低いので、検閲が必要です(^^;
鑑賞本数は年間400本くらい。もっと観たい(再鑑賞を増やしたい)のですが、これ以上増やすと映画評が追いつきません。
オカピー
2005/12/25 00:31

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