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☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2003年アメリカ映画 監督アンソニー・ミンゲラ ネタバレあり 南北戦争で切り離された二人の男女のラブ・ストーリーである。 南軍の兵士として出征した若い農夫ジュード・ローが一度だけキスをしただけの牧師の娘ニコール・キッドマンへの愛情を絶ち難く、激しい戦闘で重傷を負いその傷が癒えると、野戦病院を逃げ出し、遥かなる故郷コールド・マウンテンを目指す。 脱走兵に下される罰は非常に重いもので、義勇軍と名乗る賞金目当てのいかがわしい一味の追跡をかわす一連の場面が大きな見所となる。南北戦争を扱った作品は少なくないが、義勇軍をこれほど大きく扱った作品はないのではないか。 一方、牧師が急逝し、お嬢様のニコールは殆ど生きるすべを知らない。見るに見かねた隣の優しい奥さんが、男勝りの若い娘レニー・ゼルウィガーを派遣したことから、彼女は手を汚し、筋肉を働かすことを憶えて行く。この辺りはまるで「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラを見るようである。 再び故郷を目指すローに戻る。彼は農夫に騙されて義勇軍に捉えられるが、北軍との戦闘で辛うじて抜け出し、山に暮らす老婆や病弱な子供と暮らす若い主婦ナタリー・ポートマンに助けられ、ついに二コールの前に顔を見せるのである。 ここで終わっても良いのだが、この後がかなり長い。彼女と結ばれた後も義勇軍がしつこくも追い、銃撃で相撃ちとなって息絶える。が、彼の血は一人娘に継がれることになる。 見ごたえ十分である。監督アンソニー・ミンゲラは自らの旧作「イングリッシュ・ペイシェント」にも似て回想シーンから進めていく。スタートが戦場であったのは正解で、それもCGも活用した大迫力場面から始まり、主人公ならずとも戦場の恐怖は嫌というほど感じさせる。逃走場面への力も入る。ただ、主人公の脱走の理由は戦場の恐怖ではなく、二コールへの思慕である。従ってこれほどもったいぶった回想形式にすることが絶対的に必要であったかと言えばそうでもないが、後々の手紙の活用を考えると悪くないアイデアとは言えるだろう。 日本での評価は「イングリッシュ・ペイシェント」とは差があるが、個人的にはさほど差を感じない。やや大衆的な内容になったかなと思う程度であり、サスペンスに支えられたロマンスとして評価できる出来栄えである。かかる物語を余り哲学的にしてもつまらない。 演技的にはレニー・ゼルウィガーの好演が光るが、ニコール・キッドマンの貫禄にも目を見張る。 |
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